内容説明
黒パン350グラム―1日のスタミナ源。日本へ飛ぶ雁を見送り、オーロラを仰ぎ見たノルマ作業。凍土を逞しく生きぬいた猛者たちの人間物語!
目次
異国の丘
階級消滅
捕虜番号
ファシスト
捕虜の正装
黒パンとの再会
ポツダム階級
冬将軍
思い出の戦友
三つの祖国
ラーゲリの民主運動
夏草茂る連隊跡
シベリヤ帰り〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高木正雄
2
春画やトイレの話など当事者にかわからないものが前書同様たくさんある。ソ連のラーゲリで日本軍医の奥さんが出産した話は驚いた。女性も兵隊のラーゲリにいたようだが、所長の配慮で個室にされたそうだ。密告や民主運動の話は兵隊時代の立場と入れ替わることもあったようだがソ連のイデオロギーでは仕方ないのだろう。帰国のために民主運動に参加していたそうだ。近衛がソ連との交渉で労働力を提供することを申し入れようとしかたことは知らなかった。満州以外でも復員兵を現地に定住させようとしたりむちゃくちゃだ2025/06/20