内容説明
フランク・ロイド・ライト、ル・コルビジエと並び称される「近代建築の巨匠」ミース・ファン・デル・ローエが新しく創り出した建築言語を、事務所で創作を共にした筆者が、ミースの作品と作業の軌跡を追って詳述した、渾身の一冊。
目次
第1章 ミースの建築への啓示(ミースの生い立ちと感性;時代というコンセプト ほか)
第2章 作品の時代:二次元から三次元へそして四次元の建築へ(事務所の心地良い空間;反射という建築言語の誕生 ほか)
第3章 解体と再構築の実践(バルセロナ・パビリオン―フリースタンディング・ウォール;科学技術社会における住居環境―トゥーゲントハット邸 ほか)
第4章 誰でもできる建築(アメリカの都市の再生;イリノイ工科大学のキャンパス計画 ほか)
第5章 建設芸術の完成(ファンズワース邸―吊り構造によるユニバーサルスペースの誕生;建築学科教室クラウン・ホール ほか)
著者等紹介
渡辺明次[ワタナベメイジ]
工学博士。1935年静岡県清水市生まれ。1958年関東学院大学建築学科卒、1962年イリノイ工科大学大学院卒。1962~65年ミース・ファン・デル・ローエ事務所勤務。三井霞ヶ関ビル企画室、南カリフォルニア大学客員助教授を経て、1970年から関東学院大学建築学科教授
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感想・レビュー
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★★★★★
2
ファン・デル・ローエの事務所に勤務していた日本人建築家による概説書。専門外なので、これについてはお勉強になったとだけ言っておきます。それとまことに失礼かつ蛇足ながら、著者の経歴には驚いた。重ねて失礼ながら、関東学院大学卒業なのにイリノイ工科大学の大学院に行ってローエの事務所に就職って、一体なにがあったんだろう。人生ってわからんね。2010/04/18
TAKAMI
0
ミースの事務所出身である著者が、ミースの建築思想をわかりやすくまとめる。石・レンガに対する思い、科学技術革新時代背景、シカゴという都市との相性、構造と美。バルセロナパヴィリオンやトゥーゲントハット邸、クラウンホール、シーグラムビルなど傑作の制作背景もわかりやすい。また合間に語られる著者が直接経験したミースのエピソードが、この本を活き活きとさせ読みやすさに繋がりました。読みやすい。2017/09/05
mkisono
0
"less is more"とは本人は一度も行ったことが無い、とあとがきに書いてあった2011/04/10