出版社内容情報
みんなに自慢できることがなくて悩んでいた臆病ねずみのシオドア。ある日不思議なきのこを見つけて…
著者等紹介
レオニ,レオ[レオニ,レオ][Lionni,Leo]
1910年オランダのアムステルダムに生まれる。イタリアでデザイナーとして働き、29歳の時に渡米、アメリカに帰化してアートディレクターとして活躍。1959年、孫のために絵本をつくりはじめ、続いて発表した『ひとあしひとあし』『スイミー』『フレデリック』『アレクサンダとぜんまいねずみ』の4作品がアメリカの最も権威ある児童文学賞であるコルデコット賞を受賞するなど、絵本作家として実力、人気ともに世界中で認められている。1999年イタリアのトスカーナで亡くなる
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
詩人。1931年、東京に生まれる。21歳のとき第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行以来、絵本、翻訳、作詞、シナリオなど幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
118
この本はレオニにしては珍しく、教訓的な話になっています。いつも出てくるねずにとは異なり、ほかの動物と比較されてとりえがないので、しゃべるきのこの言葉を勝手にご信託として一時は人気を得ますが最後は・・・・。きのこがしゃべる「クイルプ」という言葉はどういう意味なのでしょうね.2018/01/23
Kawai Hideki
86
レオ=レオニ強化週間。あるところに、ネズミ、カメ、トカゲ、カエルの4匹の仲間がいた。カメ、トカゲ、カエルには、自慢の特技があったが、ネズミにはない。そんなネズミが、ある日、「クィルプ」という声を出す不思議なきのこに出会った。そこでネズミは一計を案じ、仲間に「世界に一つしかない真理のきのこ」として紹介し、その言葉の意味を神託のように告げる。「全ての動物の中でネズミが一番偉い」と。たちまちネズミはチヤホヤされるのだが、偽りの栄光は長く続かない・・・。孟子の「朋友有信」を彷彿とさせるお話。2016/06/23
seacalf
53
ついに花粉症になってしまったらしい。ああ、麗らかな春よ、さらば。もうこのぽやぽやとした季節を手放しで楽しむことができないとは。という訳で、診察を受けメソメソしながら薬待ちの待合室の本棚でこの本を見つける。レオ・レオニのこの作品は未読かも。シオドアと仲間の動物たちの表情が豊かな様が好き。特にねむたげなシオドアの目が好き。コラージュがとても綺麗で印象的。ラストの唐突な終わり方はなんとも言えない気持ちになるけれど。結局、クィルプとは胞子が弾けた音なのかしらん。胞子はいいけど悪さをする花粉は飛ばないでほしいな~。2019/03/15
つくよみ
48
図書館本:とかげ、かえる、かめ。3匹の仲間とともに暮らしていた、ねずみのシオドア。「尻尾が生え変わる」「水にもぐれる」「箱になれる」そんな仲間たちの自慢話にも、「ぼく にげられる」などと言って、笑われる始末。ある日、ひょんなことから、青くて大きなきのこを見つけたシオドアは、そのきのこが発する奇妙な音を聞いて、一計を案じたのだが・・・?と言うお話。味わい深い色合いの切り絵に、シンプルなデザインのねずみが可愛らしい作品。最後、思いがけず特技が役立ってしまった結果になったが、ちょっとシオドアが可哀想な気もする。2014/08/15
Rosemary*
46
【児童書・絵本で寄付しましょう♪】 鮮やかでとっても綺麗な絵本。自分に自信を持てないシオドアは、仲間たちについ嘘をついてしまいます。結局、嘘がばれていまい森を追われる羽目に…自分を必要以上に持ち上げてはいけまけんね。教訓的なメッセージ。「クィルプ!」2014/06/21