出版社内容情報
ねずみのアレクサンダは人間に大切にされているぜんまいねずみをうらやましく思っていました。でもある日ぜんまいねずみが捨てられることに…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
327
レオ=レオニ作。きらわれものの、ねずみのアレクサンダとアニー少年に可愛がられていて幸せな、ぜんまいねずみのウィリー。まほうのとかげまで登場して、短いわりには起伏に富んだお話。絵は背景も含めて、いつもより力が入っている感じだ。ねずみの造型を見ていて思うのだが、こんなにシンプルなのにこれで十分にねずみとして通用し、なおかつ可愛い。その秘密はどこにあるのだろう。抽象化の巧みさか、あるいは目や耳、しっぽと身体のバランスなのだろうか。まほうとかげの色彩も絶妙。2024/08/12
Kawai Hideki
113
自由だがその日暮らしをしていたネズミのアレクサンダが、ゼンマイ仕掛けだがおもちゃとして愛されているぜんまいねずみのウイリーと出会い、友情を培うお話。ある日、魔法で別の生き物になれる噂を聞いたアレクサンダは、ぜんまいねずみになる事を希望する。ところが、ウイリーは古いおもちゃとして処分の対象になってしまっていたのだった。そこでアレクサンダは…。生活の糧よりも、友情の大切さをしみじみと感じるお話。2016/05/29
seacalf
100
シオドアのお話とは違って、こちらはドラマチックかつ起伏ある展開で、アレクサンダの健気さが感動を呼ぶ素敵なお話。レオ・レオニの作品の中でも『スイミー』と同じくらい有名だから、ファンも多いはず。もう数十年以上前の子供時代に読み聞かせて貰った以来の再読なのに、コラージュのガラス瓶の美しさだけはやけに鮮明に覚えていた。本編には関係ないが、谷川俊太郎さんの髪の毛があるお姿にびっくり笑。2019/03/15
masa@レビューお休み中
97
同じ屋根の下で暮らしている、ねずみのアレクサンダとぜんまいねずみのウィリー。同じ家にいるにも関わらず、まったく扱われかたが違うのだ。人気者でちやほやされているぜんまいねずみは、夜の寝床もベッドでぐっすり休むことができる。それとは反対に、ちょっとごはんを食べようとするだけで、ねずみのアレクサンダは人間に追い回されてしまうのです。そんな正反対の二匹がある日、出会ってしまいます…。設定はありがちなのですが、レオ・レオニの手にかかると、素敵な友情物語になってしまうのです。2013/07/06
つくよみ
78
図書館本:人間の嫌われ者。ねずみのアレクサンダは、今日も人間に追われる日々。そんなある日、彼が出会ったのは、ぜんまい仕掛けで動くねずみのおもちゃ、ウィリーだった。ウィリーと友達になったものの、自分とは正反対、子供のお気に入りのぜんまいねずみを羨ましく思ったアレクサンダは、自分もそうなりたいと願うが・・・?苦労の末、願いを叶えるチャンスを掴んだものの、友の運命の変転を目の当たりにしたアレクサンダは、そのチャンスを違うことに使う。自分の意思で行動し、生きていける事の尊さを、教えてくれる作品。2014/01/15




