復元白沢図―古代中国の妖怪と辟邪文化

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  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784768479643
  • NDC分類 388.22
  • Cコード C0014

出版社内容情報

江戸時代に流行した禍を避け福を招く白沢の図。その源流にある古代中国の辟邪呪術を伝える幻の奇書を復元し文化史的意義を読み解く。中国の伝説上の帝王・黄帝は、神獣・白沢の言葉を記録して、あらゆる鬼神を撃退する知識が書かれた書物『白沢図』を編んだと伝えられる。この書物は、禍を避け福を招く辟邪(へきじゃ)呪術を伝承する書として珍重されたが、今から約一千年前の北宋時代に散佚したと考えられる。本書では、この幻の奇書を最新の研究成果をもとに復元し、平易な訳文と解説を付した。現代の妖怪文化の源流の一つである辟邪文化の原像がここによみがえる。

第一章 『白沢図』とはなにか──その伝説と成立
第二章 『白沢図』輯校
第三章 神獣白沢の姿──辟邪絵としての白沢の図
補 章 「白沢」研究の軌跡
附 録 『礼緯含文嘉(れいいがんぶんか)』精魅篇

佐々木聡[ササキサトシ]
1982年秋田県生まれ。金沢大学文学部卒、東北大学博士課程後期修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD(大阪府立大学)。専攻は、中国古代・中世の宗教文化史。主な著作に、東アジア恠異学会編『怪異学入門』(共著、岩田書院)、「『白沢図』をめぐる辟邪文化の受容と展開」(『日本中国学会第一回若手シンポジウム論集』)、「『開元占経』の諸抄本と近世以降の伝来について」(『日本中国学会報』六四輯)など。

内容説明

中国の伝説上の帝王・黄帝は、神獣・白沢の言葉を記録して、あらゆる鬼神を撃退する知識が書かれた書物『白沢図』を編んだとされる。この書物は、禍を避け福を招く辟邪(へきじゃ)呪術を伝えるものとして珍重されたが、今から約一千年前の北宋時代に散佚したと考えられる。本書では、この幻の奇書を、最新の研究成果をもとに復元。平易な訳文と解説を付した。現代の妖怪文化の源流の一つである辟邪文化の原像を探る貴重な手がかりがここによみがえる。

目次

第1章 『白沢図』とはなにか―その伝説と成立(白沢伝説;『白沢図』の成立と鬼の名前を呼ぶ辟邪方法 ほか)
第2章 『白沢図』輯校(白沢図の分類と配列について;五行(木・火・土・金・水)の性格を持つ精魅 ほか)
第3章 神獣白沢の姿―辟邪絵としての白沢の図(辟邪絵としての「白沢の図」;日本の「白沢の図」「白沢避怪図」 ほか)
補章 「白沢」研究の軌跡(神獣白沢とその図像研究;『白沢図』の資料研究)
附録 『礼緯含文嘉』精魅篇

著者等紹介

佐々木聡[ササキサトシ]
1982年秋田県生まれ。金沢大学文学部卒、東北大学博士課程後期修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD(大阪府立大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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tama

6
図書館本 面白かったー 中身は論文と解説の中間的な感じで分かりやすい。白澤って精の一種だそうで、11520種の精・鬼の形・行動・名に精通しており、名を呼ばれた鬼や精は「こりゃいかん あいつわしのことを知っておる」と逃げるんだそうです。だから白澤の絵を家の入口に貼っておくと鬼は来ない。鬼瓦の元か?中国での形は狛犬とか、グリフォンみたい。日本に伝わると顔が人間になりスフィンクスを思わせる。精の中には煮たりして食べれるのが結構いるのね。諸星大二郎好きな人には「あっ これ知ってる!」が一杯です。2017/04/02

Tonex

5
中国の聖獣「白沢」に関する概説書。マニアックすぎるが面白い。2017/03/24

さとうしん

3
中国の鬼神に関する知識をまとめた書物『白沢図』の本文輯校と解説が主内容だが、妖怪白沢の図像についても論じている。『白沢図』については著者も言及しているように、やたらと「これを食べれば××の効能がある」「〇〇の味がする」という記述が見られるのが印象的。『山海経』の時代から現代中国の間を埋める妖怪文化のテキストとして、もっと知られてもよいと思った。2017/01/24

ろばみみ

1
山海経からの流れで読んだんですが、首里城にあった白沢図にもふれられていて思わぬ収穫がありました。文章と絵図、2種類の「白沢図」があったとは知らなかった。絵図だけだと思ってました。2021/02/18

煙野 環

1
礼緯含文嘉精魅篇(ちゃんと篇になってる)の日本語訳が付いているのが良いですね。山海経との類似や書中に言うものからことへの変化や名を呼ぶことからの変化などを証明する形になっています。白沢について概観を知るに最も適した本ではないでしょうか。欲を言えば日本における件との関係をもっと知りたかったですね。2017/02/19

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