内容説明
章炳麟の言語理論を詳しく紹介しながら、漢字圏の批評伝統より「辞を修め、其の誠を立つる」という理念を復活させ、近代化が抑圧してきた「文」の脱構築的機能の再生をめざす意欲的論考。
目次
漢字圏批評理論のために
第1部 漢字圏批評概念としての「文」と「修辞」(「文」の「学」を論ず―漱石『文学論』の問い;「修辞」と「レトリック」―近代的修辞学・文法学の確立との関連において;日本における批評概念としての「修辞」―荻生徂徠の「古文辞学」とその「修辞」解釈 ほか)
第2部 近代中国の文脈における音声中心主義―「文」と「修辞」の衰弱として(中国の民族主義と言語の近代;歌謠徴集運動における「声」と「音」―「歌謠」と「新詩」という近代的白話・国語運動のための装置;文と政治、美と倫理の間に―声への反省と活用としての三〇・四〇年代 ほか)
「和而不同」・君子=他者の共和国へ―アーレントと章炳麟
著者等紹介
林少陽[リンショウヨウ]
1963年、中国広東省生まれ。1983年、廈門大学卒業。吉林大学修士課程修了後、会社員として勤務する傍ら、研究と創作を続ける。1999年留学で来日、大阪大学研究生、東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程、東京大学助手を経て2006年から東京大学教養学部特任准教授。学術博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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