内容説明
戊辰戦争の悲劇は再び繰り返されるのか!2011年3月11日―東日本大震災、続く原発事故。福島から多くの人々が転出せざるをえなくなり、苦しんでいる。140余年前の戊辰戦争の負の遺産を引き受けたのも、東の人々だった。戊辰戦争とは何だったのか?その意味を改めて問い、敗れた人々の誇り高い生き様を評価し、被災地の再興を願う。
目次
プロローグ それぞれの戊辰戦争
第1章 江戸幕府倒壊への道―徳川幕府倒壊の発端となった黒船の来航。
第2章 明暗を分けた鳥羽・伏見の戦い―薩摩藩邸の焼き討ちが発端となり、新政府軍と幕府軍の戦いが始まった。
第3章 争乱拡大と江戸城無血開城―新政府軍は東征軍を組織し、江戸へ。勝海舟などの尽力で江戸は戦火から免れた。
第4章 奥羽越列藩同盟―会津藩・庄内藩赦免のために奥羽越諸藩は結集、新政府軍との戦争に突入。
第5章五稜郭の戦い―榎本武揚ら旧幕府軍は五稜郭に立て篭もり、新政府軍への抗戦を貫くも…。
エピローグ 汚名を雪ぐ
著者等紹介
佐藤竜一[サトウリュウイチ]
1958年、岩手県陸前高田市生まれ。岩手大学特別講師・作家。一関第一高校、法政大学法学部卒業。東京での編集者・記者生活を終えて、帰郷。幕末維新史・中国近現代史・宮沢賢治などを主テーマに執筆活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
4
幕末から戊辰戦争までの経緯について、それぞれの藩ごとに追った一冊である。「シリーズ藩物語」の本であるので、分量の割に各藩の動きについて細かく触れられている。▼大政奉還からの展開が、目まぐるしく、かつ、薩長と幕府会津との争いが根深い。▼戊辰戦争自体は、ほどなくして終結するが、その混乱は明治前半にかけて続いていく。▼本書は、盛岡藩出身の原敬が、若かりし頃に楢山佐渡が処刑される姿を見て、立身出世後戊辰戦争殉難者五十年祭で戊辰戦争の犠牲者を弔うところで話が終わる。20世紀とはそういう時代だと思い知らされる一冊。2022/04/09
金目
2
秋田戦争の話をやらなきゃいけないので勉強。幕末、海外事情がどんだけ煮詰まってても、各藩ほ目の前の問題やら幕府への義理立てやらでなかなか長期的な視線が取れなかったんだなぁというのを実感する。それはそれとして、薩長はくそ2022/10/27
RX93
0
「それぞれの戊辰戦争」ということで、各藩の判断はさまざま。。。とはいえ、(偽勅であっても)勅命にはやはり逆らえないのが大多数。「心は幕府にあれども、表面は勅命に従わざるを得ず」(津藩)▼一方で薩長は帝を「玉」としてしか扱わず。「孝明天皇が存命であれば薩長の天下はあり得なかった」「明治天皇は玉として新政府に利用されたのだ」▼鳥羽・伏見では淀藩・津藩が裏切り。桑名藩は、松平定敬不在の中、恭順。尾張徳川家は、容保・定敬の実兄なのにあっさり恭順。紀伊も。▼会津藩・庄内藩・長岡藩、それぞれの戦い2024/09/01