出版社内容情報
三春は、みちのくの入口である白河の関に近く、宿場町であった郡山を見張る場所に位置していたため、古くから政治的に重要視された土地であった。たとえば、伊達政宗は、三春城主田村氏から妻を娶ったことにより、東北の覇者になるきっかけをつかんだ。平安時代、東北地方で勃発した前九年戦いで源氏に滅ぼされた安倍氏を祖に持つ秋田氏が三春藩を治めた。資源に乏しい小藩ゆえ人材育成に力を入れたことが、幕末に「三春狐」と呼ばれる微妙な立ち回りを招くこととなった。
東北の桃源郷を統治した名門秋田氏。
幕末の苦悩に満ちた藩運営も深掘り!
現在の福島県田村郡三春町を拠点とした藩の物語!
内容説明
安東氏の末裔・秋田氏が、山里で進めた人づくり。戊辰戦争で、戦わない道を探った三春藩。時世移ろえど、梅・桃・桜が咲き競う陸奥の山里三春。田村氏・蒲生氏・松下氏を経て秋田氏へ。徳川家との所縁から譜代並みの地位を得た。高冷な阿武隈高地で、度重なる冷害に耐え忍び、人づくりを進め、和平の道を目指した誇りが生きる。
目次
プロローグ 三春藩物語
第1章 三春藩前史―戦国時代に田村氏が居城を築き、近世初期は蒲生氏や松下氏の支配となる。(中世の三春と田村;三春田村氏と伊達政宗 ほか)
第2章 秋田家三春藩の成立―秋田氏の十一代二百二十六年にわたる治世が、東北の山里に新たな文化を築いた。(北の斗星・安東秋田氏の系譜;秋田家三春藩の様相 ほか)
第3章 御家騒動と藩政の転換―家中騒動を乗り越えて、新たな秋田家と三春へと変容した。(三春秋田家猫騒動;正徳事件 ほか)
第4章 戊辰戦争と三春藩―三春藩は諸藩の動向を窺い、動揺しながらも無血開城を果たした。(戦争のはじまり;奥羽越列藩同盟 ほか)
エピローグ 「三春狐」の歴史観
著者等紹介
平田禎文[ヒラタサダフミ]
1967年福島県田村郡三春町生まれ。1993年明治大学大学院(史学)博士前期課程を修了し、三春町に勤務。現在、三春町歴史民俗資料館館長。三春城や城下町の発掘調査報告書や、同歴史民俗資料館の図録等を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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