出版社内容情報
伊勢崎藩は、藩校「学習堂」を設立した日本有数の教育藩。向学心で幾多の危機を克服。陣屋は現在の群馬県伊勢崎市。
伊勢崎藩は、慶長6年(1601年)に稲垣長茂が1万石を領したことに始まる。寛文2年(1662年)に廃藩となるが、天和元年(1681年)、4代将軍徳川家綱の下で大老を務めた酒井忠清の三男・酒井忠寛が兄・忠挙より2万石を分与され、前橋藩の支藩的な性格を帯びて伊勢崎藩が再立藩。その後、前橋藩の酒井氏は姫路藩に移封となり、伊勢崎藩は姫路藩の支藩的存在となった。藩政は初代藩主・酒井忠寛の時代に確立。その後、財政難に陥ったが、3代藩主・酒井忠温の藩政改革により再建された。浅間山大噴火による未曾有の大火災も乗り越え、絹織物産業を発展させた藩の物語!
内容説明
浅間山大噴火による困窮、しかし、打ち壊しは皆無。酒井家の朱子学に基づく善政は、人々に慕われた。日本で最大数の郷学、有能な藩士と民のパワー、伊勢崎の誇りがここにある。
目次
第1章 伊勢崎藩の成立―幕府の始まりからめまぐるしく入れ替わった伊勢崎藩の支配者。(酒井氏以前の時代;前橋藩時代から酒井忠能時代 ほか)
第2章 伊勢崎藩の武士たち―役職に励み、苦しい生活に悩まされ、偉業を成し遂げた武士がいた伊勢崎藩。(家臣の構成と給与体系;伊勢崎藩士の財政状況 ほか)
第3章 浅間山大噴火を乗り越える―関当義・重嶷父子の活躍―未曽有の大災害を克服し、伊勢崎藩全域に広まった教育熱の高まり。(浅間山大噴火と伊勢崎の被害;藩校学習堂―教育に求めた藩の危機の打開 ほか)
第4章 人々の暮らし―伊勢崎太織生産の拠点や、交通の要衝としての伊勢崎藩を支えた人々の暮らし。(農村や町の様子;絹織物産業の発展 ほか)
第5章 幕末の伊勢崎藩―幕末のめまぐるしい情勢に、藩として対応に追われた時代。(開国と伊勢崎藩の対応;水戸天狗党への対応 ほか)
著者等紹介
栗原佳[クリハラスグル]
平成元年(1989)群馬県前橋市に生まれる。群馬大学教育学部卒業、学習院大学大学院卒業。高校地理歴史科の教諭。群馬県立伊勢崎商業高校勤務を経て、高崎市内の県立高校に勤務する。NPO法人歴史資料継承機構「じゃんぴん」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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