内容説明
蒼茫たる海と山。長宗我部から山内へ、歴史の確執を維新の原動力とした志が輝く。「自由は土佐の山間より。」大海原と深山で隔たった修行の国・土佐。いごっそう・ハチキン、独立自尊の精神に富む男と女たち。伝統を重んじながらも、大きく開かれた窓から世界を臨む心意気は、今も変わらず軒昴なり。
目次
第1章 長宗我部氏の時代
第2章 山内土佐藩の誕生
第3章 野中兼山とその時代
第4章 推移する藩政
第5章 学問と文化
第6章 幕末土佐と坂本龍馬
著者等紹介
宅間一之[タクマカズユキ]
1935年高知市春野町生まれ。高知大学教育学部卒業。高知県内公立高等学校教諭、土佐女子短期大学教授。高知県立歴史民俗資料館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroshi
4
シリーズ藩物語の土佐山内藩。安芸氏・長宗我部氏・本山氏・一条氏が治めていた土佐の国。夢窓疎石が住んだ吸江庵の寺奉行に就任したことから、長宗我部氏は土佐の守護代細川氏の保護を受けて土佐統一、四国統一を成し遂げた。秀吉の四国征伐に負けて土佐一国に減封され、関ヶ原の戦いで西軍につき改易された。土佐を譲り受けたのは山内一豊。一領具足という長宗我部の家臣である地侍が抵抗し、一豊は力尽で鎮圧した。一豊は標高42メートルの大高坂山に河中山(高知)城を築城した。現存天守12の内の1つで、本丸建物群の完存は全国唯一である。2019/05/25
天使の奇跡
2
幕末の話が、やっぱり面白い。薩摩と長州とは、元々の立場が違います。大政奉還を薦めたのが、土佐藩、しかも坂本龍馬が絡んでいたとは、まだまだ知らないこといっぱいありましたね!他の藩シリーズも面白いかもしれないです。2018/10/07
へんかんへん
2
碁やりたいなと思う毎日2016/03/15
みなみ
0
治水事業によって後世の人々は潤うのだろうが、当時の農民にとってはあまりに労役が過酷すぎるのだな…重機ない時代なわけだし…2016/03/18
駅長ポニョ
0
長宗我部盛親の改易後に土佐に入った山内家により幕末まで続いた土佐藩。 「いごっそう」といわれる豪快な土佐人の気質と、意外にも奨励されていた学問と、太平洋に面し辺境の立地が、幕末のエネルギーを生み出してるようでした。 坂本龍馬・山内容堂だけでも個性が強烈なので、一冊の本にまとめるのに相当苦労しただろうなと感嘆しました。2018/06/02