出版社内容情報
私たちは、原発は、頭脳の臨界線にはあるのだが、眼には入らないような電力生活をしている。しかし、原発は稼働し、事故を起こし、地震を恐れ、老朽化に蝕まれている。その現実を、もう原発は建造物自体が老朽化で危険な事を柔らかく・誰にも分かるように解説。
目次
第1章 はびこりはじめた「安全余裕」という危険神話
第2章 材料は劣化する―大惨事の温床
第3章 原発の事故はどう起こっているのか
第4章 中越沖地震と東京電力柏崎刈羽原発
第5章 東海地震と中部電力浜岡原発―運転差し止め一審裁判の概要
第6章 原発は正しい選択だったか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
2
『倫理的に非難されない大事故はほとんど無い』、 2008年における警告。東日本大震災のマグニチュード規模は想定外だったが、揺れの加速度ということでは実用想定S1は300ガル、極端想定、450ガルであったが2007年中越沖地震では最大三倍以上の加速度を観測した。当然、全ての原発の運転を見直す必要を「高い安全度を見込んであるから」と放置した。また自力で冷却モードに入れない事態で外部からの送電線が4本のうち2本無事だったのも幸運、というか早く中規模の事故があった方が良かったのか?安全度は不確定要素吸収に過ぎない2013/12/27
更紗蝦
2
原発が機械工学的にどれほど危険かを説明している本ですが、工学の知識がない人でも理解できる内容です。「原発に興味はないけど、機械工学には興味がある」という人にもおすすめです。2011/09/12
D21 レム
2
最初は難しくて不必要な専門知識だと思いながら読んだが、この知識が老朽化原発問題を理解するのに、どうしても必要なものだと実感させられた。古い原発の怖さは、金属疲労している部分を、目で見たり手で触って確かめたり、簡単に修理取り換えができないところにある。放射能がついているから。そしてとにかく、でかい!お金がかかる!もう少し簡単な、電車の中で読めるような本を作ってくれたらいいのにと願う。2011/06/24
小鳥遊 和
1
2008年9月初版第1刷、2011年4月第3刷。3.11以前に上梓された本であるが、日本の原発の危険性を工学的に解き明かした書として、今なおその価値を失わない。出版後10数年を経た今日、原発の危険性が増大している可能性もあることを実感させてくれる。本書と合わせて、添田孝史『原発と大津波 警告を葬った人々』(2014)も読むべきだ。2023/12/17
oyagonnta
0
図書館 かなり難しい本! 三年前にこの本が出ていた。 もっと早く読みたかった。 鋼材の関係では、本業で参考になる点も多かった。 巻末で対象年齢を中学生以上と著者はおっしゃってますが、自分の今でも(39)かなり難しい部類!俺の中学生の頃では到底読みきれない内容 自分の読書力のなさを痛感した。2011/06/08