内容説明
ひとは、それぞれの風土に合った作物を育て、その「種」を営々と受け継いできた。失われようとするその種をなぜ守るのか?“日本三大ネギ”のひとつ岩津ネギや茄子・瓜・豆・小麦など、「美味くてやめられない」味を守り続ける物語。
目次
はじめに―種と遊んで
第1章 岩津ネギとのつきあい
第2章 懐かしい姿と味を求めて
第3章 岩津訪問終章へ
第4章 うもうて種採りやめられん
第5章 伝統の種を守って
第6章 種と遊んで
著者等紹介
山根成人[ヤマネシゲヒト]
1942年生れ。東京教育大学文学部中退。家業の洋服業従事。1982年より百姓志願。1985年より自家採種開始。除虫菊保存会主宰。2003年より「ひょうごの在来種保存会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
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種子は旅をする。旅先で根を下ろし、その土地に順応し形や性質を変えて定住する。そして、その性質(味)の中で素晴らしいものが、美味しい野菜としてその地の農家に受け継がれていく。我々の祖先は、そして我々はその恵みにあずかってきた。最近は別々の種を人工的に交配させるF1品種が種子や、できた種を翌季に植えても芽が出ない「ターミネーター」という種子まで生まれており、一握りの国や穀物企業による食糧支配の様相を呈しているありさまだ。そうした状況を憂え、著者・山根氏は在来種を保存するフィールドワークを続けていらっしゃる。2011/12/10




