内容説明
反目し合う二つのドイツ。否定された歴史に育まれた「旧東独人」という生き方は、ヨーロッパに何をもたらすのか。旧東独人に長期にわたる取材を経て、ドイツの最深部を描く渾身の一冊。
目次
第1章 統一・一九九〇年から二〇〇一年まで
第2章 東ドイツ・死後解剖報告
第3章 差別・東ドイツ人の現在
第4章 東ドイツ・日本そして西ドイツ
第5章 多民族共生へ?
新通貨登場―あとがきにかえて
著者等紹介
平野洋[ヒラノヨウ]
1960年、横浜生まれ。ルポライター。ビデオジャーナリストとしても活動中
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
18
冒頭の没収財産(土地や家屋)の返還や買取に関するレポートが興味深い。戦後、国境の変更や体制の転換などで土地を移動した・させられた人たちに手放した財産を返す動きが(ドイツだけでなく)各地である。国家の体制と個人の権利、所有などについて考えさせられる格好のテーマなので、ここをもっと深めてほしかった。後半はドイツにおける何層もの差別意識について。統一前後の執筆当時の東西ドイツ人やドイツに住む外国出身者の率直な声は貴重だが、著者自身がドイツで受けた差別への恨みがわいてきて、言葉や叙述が乱れていったのが残念。2016/08/18
組織液
2
東ドイツと言ったらこの本の印象があったので読んでみました。統一して間もない頃の東ドイツ人、西ドイツ人にそれぞれインタビューをしているので、かなり貴重な証言を知ることができます。結構筆者の主観的な意見多いんですね。悪いとは言いませんけど読む人は選びそう((2019/08/20
可兒
2
旧東ドイツ地域の現在について、二都市をめぐったルポ。深化する東西のすれ違いやガイジンの扱いなどがとても興味深い反面、たびたび登場する日本政府や日本人への稚拙な罵倒と嫌味がとても不快だった2009/06/30
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
1
壁崩壊の少し前から東ドイツに留学していた著者が、東西ドイツのさまざまな人にインタビュウしたもの。遅れてはいるものの純朴な気風が残る「東」は、同時に「ヨーロッパ人」という意識の希薄なドメスティックな「ドイツ人」であり続け、よってよそ者排斥の気風が極めて強いらしい。20年前のルポルタージュだが、メルケル以降はどうなのだろうか。2021/03/07
Comics
1
統一後のドイツを、旧東ドイツ視点でレポートした本。西ドイツのマスコミは、東ドイツを「ソ連占領地帯」と呼んでて「東ドイツ」とは表現しなかったんだって! なかなか面白いかった。2019/08/26
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