内容説明
妻木頼黄―明治建築界に彗星のように現れた天才の栄光と挫折に、ひたむきに生きた近代日本人の原型を探る。
目次
第1章 広島仮議院
第2章 江戸・赤坂の道
第3章 虎の門・工学寮
第4章 日銀と勧銀
第5章 永田町の丘
第6章 日本橋
第7章 邯鄲の夢
著者等紹介
北原遼三郎[キタハラリョウザブロウ]
作家。1947年、宮城県生まれ。法政大学法学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
60
妻木頼黄がヨーロッパに行っていなかったら東京駅は辰野金吾の設計で無かったかもとも言われ、皇帝辰野に対し合理主義の妻木の両者の存在が分かり、お面白い!その他にもコンドルや武田吾一も出てきてそれぞれの性格も何となくわかり読み応えありです。2013/10/19
monel
2
☆明治からの建築史は、各国の思惑が入り乱れる文化のバトルロワイヤル。そのなかで戦うひとりの男!日本橋に込められた反骨精神!熱い。2009/08/20
志村真幸
0
明治期に大蔵省などで官庁建築を手がけ、建築界のドンとして知られた妻木頼黄の伝記である。半ば小説調。 あまり作品は残っていないのだが、神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行本店)、半田の赤レンガ倉庫、日本橋などがある。 その誕生から死去までが描かれている。薩長政治のなかで幕臣の子でありながらのしあがっていく過程、辰野金吾とのライバル関係、国会議事堂の設計を巡っての争いといったあたりに焦点があてられている。 ちょっと描き方が極端であり、とりあげられる仕事にも偏りを感じる。ざっと生涯を知るにはいいかも。2019/04/07