出版社内容情報
本書が取り上げるのは、宗教、具体的には仏教とキリスト教における障害者や同和地区の人々への差別や排除の実態である。
仏教において、障害は「因果応報」の理法で解釈されてきた。例えば仏教説話では、経典を誹謗した者は障害者の姿で生きることとなる、前世の報いを受け今世で障害者として生まれたと説かれる。
神はすべての人を等しく愛しているとするキリスト教においては、「人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われる」が金科玉条として掲げられる。言葉を話せない障害者、聾唖者や知的障害者には教会の門戸すら開かれてこなかった。
本書は、経典や教義にも踏み込み、宗教が障害者差別、更に部落差別を助長してきたことを明白にする。更に、宗教者が第二次世界大戦中の日本でとった態度を明るみにし、その戦争責任にまで踏み込む。
障害者教育を専門とする教師とキリスト教の牧師という立場から、当事者を見つめ続けてきた著者。怒りに満ちた告発と、著者自ら取り組むインクルージョンの理念と実践という展望の書。
内容説明
障害者には、神も仏もなかった。障害者差別、部落差別、戦争責任。強きを助け弱きを挫く、仏教とキリスト教の犯した大罪。「共に生きる教会」の現場から、元牧師による渾身の告発。
目次
第1章 宗教の終焉
第2章 仏教の差別と排除
第3章 キリスト教の差別と排除
第4章 仏教の戦争責任
第5章 キリスト教の戦争責任
第6章 インクルージョンと宗教
第7章 宗教の復興への展望
著者等紹介
鈴木文治[スズキフミハル]
1948年長野県飯田市生まれ。中央大学法学部法律学科及び立教大学文学部キリスト教学科卒業。川崎市立中学校教諭、神奈川県教育委員会、神奈川県立盲学校長、県立養護学校長、田園調布学園大学教授、日本キリスト教団桜本教会牧師等を歴任。著書に、『排除する学校:特別支援学校の児童生徒の急増が意味するもの』(明石書店)、『ホームレス障害者:彼らを路上に追いやるもの』(日本評論社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
hoven
Ahmad Todoroki