出版社内容情報
絵画に潜む男性の視点を読みとき、
現代につながる社会構造を考察する。
2018年に都内の医科大学で起きた不正入試問題。医科大は「女性は医師になっても、出産などでやめてしまい、戦力にならない」と理由を述べたが、それは女性個人の問題ではなく、女性が仕事をやめなければ子どもを育てられないという社会構造的な問題である。では、「女性は戦力にならない」という基準はどのようにつくられていったのか? 男女二元制が強化された19世紀に焦点をあて、女子教育と当時の「メディア」であった絵画を振り返りながら、表象の社会的影響力を考察する。ドガのバレエ・ダンサーに対する蔑視、ロートレックの娼婦に対する温かなまなざし、ヴュイヤールのお針子に対するリスペクトなど、絵画に潜む男性の視点を焙り出す。
図版・約70点、オールカラー。
内容説明
時代の特徴を閉じ込めた印象派、ナビ派の芸術家たちの目に、女性の営みがどう映り、どう描かれたのだろう?絵画を読み解けば、今日に続く「男の視線」が浮かび上がる。
目次
第1章 「良き妻」になるための針仕事
第2章 「近代」の家族イメージ
第3章 「いかがわしい」バレエ・ダンサー
第4章 縫製工房を切り盛りするお針子たち
第5章 消費文化で多様化する女の営み
第6章 印象派時代のセックス・ワーカー
著者等紹介
永澤桂[ナガサワケイ]
西洋近代美術史、ジェンダー論研究。現在、横浜国立大学、女子美術大学非常勤講師。横浜国立大学大学院環境情報学府博士後期課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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