出版社内容情報
自らのがんサバイバーとして、身体の変容と延命を媒介に資本主義の延命を見つめる中で、さらに市井の人々たちが持つ、人として残るものとして「義」を問う。「義」の不全と渇望、その暴走としての2021年京王線での「ジョーカー」刺傷事件から、2022年7/8の安倍元首相殺害事件とは何かまでも問う一冊。
「私怨有理」。この憎悪の底まで潜り、どこへ突き抜けるか」。私鉄での事案から元首相暗殺-「死」への恍惚から標的を貫く弾丸へ、「ジョーカー」たちはなにに到達したのか?
目次
魂の夏
ジョーカーたちはいつも行き先を間違える
海辺の岩
国家を引き寄せる者たち
逃散のかすかな地鳴り
悪い人と義の人
オウムとジョーカー
忘れられた民
風に吹き飛ばされる人びと
森崎和江『闘いとエロス』この恋愛小説からなにをつかみ出すか?
両手になにを握るのか
紙と錘 晶篇1 夏の散弾/晶篇2 鉛の魂
著者等紹介
平井玄[ヒライゲン]
1952年生。文筆家。音楽・思想・社会等幅広い領域を独自の感覚で論じる。早稲田大学文学部抹籍。早稲田大学文学部非常勤講師を経て、東京藝術大学の非常勤講師など。八〇年代よりジャズを中心とする音楽の批評やプロデュースをはじめ、映画『山谷 やられたらやりかえせ』やパレスチナ音楽の紹介、フリーター運動など、様々な社会運動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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