目次
第1章 空飛ぶ円盤に導かれて―高校卒業まで(克彦の生まれた日;高橋一族のこと ほか)
第2章 十年書くのを止めなさい―作家になるまで(浪人生活一年目;浪人生活二年目 ほか)
第3章 岩手で物語を紡ぐ―作家になる(乱歩賞を目指す;江戸川乱歩賞 ほか)
第4章 大衆文学の頂点を目指す―直木賞以後(記憶にこだわる;発表を待つ ほか)
第5章 大震災が変えた人生―あの日から(東日本大震災;ミステリー文学大賞 ほか)
著者等紹介
道又力[ミチマタツトム]
脚本家。1961年、遠野市生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。演劇、テレビ、ラジオ、漫画の脚本を手がけるほか、著書・編著多数。2018年に第三十一回地方出版文化功労賞特別賞および2017年度岩手県芸術選奨、2020年に2019年度いわて暮らしの文化特別知事表彰を受賞。所属団体は日本推理作家協会、日本脚本家連盟、日本放送作家協会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
116
デビュー作写楽殺人事件以来、読み残しがあると思うけど、九割以上は、読んでいると思う。あらためてその生きてきた軌跡をなぞったと思う2021/06/14
パトラッシュ
57
高橋克彦は『写楽殺人事件』以来ミステリ、SF、怪奇、時代物など各ジャンルで多くの小説を出してきた。その多才ぶりは乱歩賞作家としては栗本薫に並ぶ才能だろう。しかも一貫して東北を動かず、地元を中心に土着の民の生き様と彼らが生んだ文化をテーマにしてきた点で異色の書き手といえる。そんな作家がどのような経歴から読者をうならす作品が書けたのかを辿る本書は、昔読んだものを思い起こしながら「あれにはこんな裏話があったのか」と頷かされる。東日本大震災のショックで今もなお断筆状態というが、ぜひ「岩手の語り部」復活を望みたい。2021/06/10
かわくん
2
著者は高橋克彦の秘書。仕事上の付き合いがあり、購入して読んだ。高橋の評伝としてとても詳しく、生い立ちから作家へ至るまでの道のり、乱歩賞受賞とその後、NHK大河ドラマの原作となる壮大な物語の執筆など、東北を代表する作家の姿を余すこと無く伝える。良いことばかりを書いてある訳ではない。乱歩賞受賞までの不遇・無頼の日々についても描く。これらは著者が以前に出した「文學の國いわて」(岩手日報社刊)でも一部触れられている。岩手出身でこれだけ多くの著作を出した高橋克彦。東北への思いをくみ取って読んだ。2021/07/08