目次
第1章 任官拒否、修習生罷免、そして法曹資格回復
第2章 群像―1971年春(1971年4月5日(阪口徳雄)
苦難に駆け寄る(梓澤和幸)
「珍訴奇訴」で挑む闘い(井上善雄) ほか)
第3章 生涯と生きがいを語る(阪口徳雄;梓澤和幸;井上善雄 ほか)
第4章 司法官僚―石田和外裁判官の戦後(思想判事としての石田和外;司法官僚・石田和外の「出生」から東京高裁長官時代まで;「激流に立つ岩」と述べて最高裁長官に就任 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lisa Tada
4
再読。初読はさらっと読んだが、今回は引用されている訴訟事件や重大社会事件、判例用語なども、一つ一つネットで検索して調べながら熟読した。時間はかかったが、理解が深まった。>「極端な軍国主義者、無政府主義者、はっきりした共産主義者は裁判官として一般国民から容認されないと思う」と言った、独裁的な司法のトップの最高裁長官はまた、『極端な右翼主義・超国家主義者』であった。彼は、右寄りの思想でないと裁判官になれない裁判所体制を作り上げてしまい、今もその慣例は踏襲されている。多様性を認めない裁判所に未来はあるのか?2022/04/23
Lisa Tada
1
長くかかったが、やっと読了。殆どを修習生大量任官拒否のあった23期生の短い手記に割いている。(そこは難しくない。)一番の肝は、戦前は思想判事であった『石田和外最高裁長官』の章でちょっと難しかった。が、長年『日本の司法は独立していないのでは?』と日本の三権分立の曖昧さについて違和感を感じていたのだが、戦前・戦後の司法の内情の変遷を知ることができた。石田和外という長官の熱狂的な天皇崇拝と教育勅語傾倒が、制度に反映されてしまい、それは先の黒川判事定年延長問題のように今も引き継がれているという。憤激ものである。2022/02/13
ギブソン
1
司法試験の講師の先生に進められた本。 自分がどういう「法曹」になりたいか?を考えるためにも読む。皆様のそれぞれの生き様がカッコ良かった。何よりも確固たる信念を持っているのが素晴らしいと思った。そして坂口弁護士の法曹資格回復のくだり... おかしいと思うことは「声を出し続ける」ことの大切さを痛感しました。 そして「はじめに」の梓澤弁護士の言葉は自分が迷った時の指針にしようと思った。2021/09/30