出版社内容情報
近年、全国各地で記録的な大雨による甚大な水害が相次いでいる。2019年10月に東日本台風が襲来した折には、巨大ダムやスーパー堤防が被害を食い止めたという声がネットで飛び交った。果たしてそれは事実なのか? 河川公共事業の住民訴訟に携わってきた著者が丁寧に解説する。
重要なのは、越水しても決壊しない堤防の整備。日本全国の堤防は土を盛っただけの“土まんじゅう"で、安全度も低い。「堤防にソイルセメントをいれて強化する技術は、海外では当たり前なのに、なぜ日本ではほとんど実施されないのか」? 等、謎だらけで人命が軽視されている「日本の水害対策」の現状を周知する。
目次
はじめに 堤防の決壊から民主主義の課題がみえる
第1章 水害対策における堤防強化の重要性(あいつぐ堤防の決壊;水害対策の必要性と現状)
第2章 重要な水害対策が消されてしまう日本の政策決定プロセス(「決壊しにくい堤防」はなぜ消されたのか;堤防の決壊からみえてくる民主主義の課題)
第3章 堤防を決壊させない民主主義へ(民主主義と参加の権利;「お願い」参加と「権利」参加;課題を参加で解決することは1992年の国際合意;ポイントは「初期段階」「代替案との比較検討」;「ダム検証」における代替案との比較検討の不公正さ;参加の権利を保障する「戦略的環境アセスメント」の導入を;初期段階の参加で「洪水を受けとめる水害対策」を可能に;SDGsの求める民主主義へ)
おわりに 変化のきざしと変化への抵抗
著者等紹介
西島和[ニシジマイズミ]
弁護士。八ッ場ダム住民訴訟、成瀬ダム住民訴訟、スーパー堤防事業差止訴訟にかかわるなかで、さまざまな専門家から指導を受け、水害対策や日本の民主主義について深く考えるようになる。(一社)JELF理事。デジタルハリウッド大学非常勤講師(法律科目)。2020年4月より立憲民主党政務調査会に勤務。東京生まれ長崎育ち(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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