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出版社内容情報
本書は、街並みの表層には現れない東京のディープなストーリーを探ろうとするものだ。
語り手は「建築」である。
そこに登場するのは、人間であり、事件であり、社会であり、文化である。建築を語るのではなく、建築が語るのだ。東京の主要な建築を選んで語らせよう。文化的な意味の強い建築を選んでいるが、それはある種特別な、華麗な空間であり、権力の空間であり、小津映画に登場する住宅とは対極にある。
(プロローグより)
建築家でもあり、文筆家でもある若山滋氏による、建築と権力、文化をめぐるエッセイ。本稿は「Yahoo!ニュース」の「THE・PAGE」欄に連載された「都市化の残像」を大幅加筆・修正し単行本化。
東京駅が皇居を向いて建設された理由など建築と権力の関係や、明治期に活躍したジョサイア・コンドル(ニコライ堂、帝室博物館、鹿鳴館などを設計)やフランク・ロイド・ライト(東京帝国ホテル、自由学園などを設計)などの外国人建築家とその弟子たちの手による建築物の紹介、そして辰野金吾や安藤忠雄、村野藤吾、篠原一男などの建築家の作風や建築観を詳解する。
軽くするすると読める筆致ではあるものの建築家ならではの鋭い視点が興味深く、知的好奇心を刺激される。
目次
プロローグ 小津映画とともに
1 天皇の街(東京駅―天皇の可視化;第一生命ビル(GHQ)―大屋根の権力・列柱の権力 ほか)
2 モダニズムとテロリズム(日本工業倶楽部会館―モダン・アーキテクチャーと團琢磨暗殺;自由学園・明日館―ライトの遺品・自由が輝いていたころ ほか)
3 権力の変容(国立代々木競技場―国家の建築家・丹下健三;吉田茂邸―戦後日本の方向を決めた「大磯もうで」 ほか)
4 たましいの空間(目黒区役所(旧千代田生命ビル)―村野藤吾・時代遅れが時代を超える
雷門と日本橋―哀しみの底流・脱自動車都市へ ほか)
エピローグ もうひとつの東京物語
著者等紹介
若山滋[ワカヤマシゲル]
1947年台湾生まれ。東京工業大学博士課程修了。工学博士。株式会社久米設計を経て、名古屋工業大学教授。米国カリフォルニア大学バークレイ校、コロンビア大学客員研究員。現在中京大学客員教授。名古屋工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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