内容説明
抵抗のジャーナリストが鳴らす令和への警鐘。
目次
プロローグ―桐生悠々を描かねばならなかった理由
第1章 「無冠の帝王」桐生悠々の背骨
第2章 関東防空大演習を「嗤う」
第3章 「だから、言ったではないか」
第4章 言わねばならないこと
第5章 あのころの「未来」
第6章 騙されてはいけない
第7章 「反骨」の系譜
エピローグ―私とあなたの責任
著者等紹介
黒崎正己[クロサキマサキ]
1968年石川県金沢市生まれ。北陸朝日放送入社後、報道記者として主に原発問題の取材を続ける。2016年、ローカルニュースの戦後七十年シリーズを総括したドキュメンタリー番組「宿命と、忘却と―“たった七十年前の戦争”」で民放連盟賞テレビ報道番組優秀賞を受賞。2018年にディレクターとして制作した「言わねばならないこと―新聞人・桐生悠々の警鐘」が、第1回「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞に選出された。現在、報道制作局次長兼報道制作部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
27
戦前、我が郷土のマスコミの雄・信濃毎日新聞社記者として、「関東防空大演習を嗤う」を著し軍部から睨まれその職を追われた桐生悠々。彼の気骨の著作人生を追いながら、昨今の安倍一強内閣の姿勢とマスコミの対決をリポート。桐生という方を知れたことは良かったが、「関東~」と北朝鮮からの「弾道ミサイル想定避難訓練」を同列に論じるのにはやや違和感。権力側もマスコミもその政策や報道を通じて支持者を増やすことは(例え、それが煽りであっても)、ゲームのルールのうちだし、お互い大いにやり合うことが健全な社会だと思う。(コメントへ)2020/10/03
ロビン
19
北陸朝日放送の報道記者が、明治末から昭和初期にかけて反権力の言論戦を展開した気骨の新聞人・桐生悠々を取り上げた本。2017年に安倍政権下で行われた「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」に対する疑問を感じた著者は、桐生悠々の軍部批判「関東防空大演習を嗤う」を思い起こしたという。現代よりも遥かに厳しい統制下で権力を批判した悠々の生涯や言論人としての戦いを本人の文章を引用しつつ紹介しており、熱い内容。犠牲を伴う義務を、ただ一人であっても遂行するー「言わなければならないこと」を言う勇気を悠々から分けてもらいたい。2021/08/25
Steppenwolf
3
Eこのコロナウィルス蔓延の最中に本書を読み終えた。桐生悠々の時代に反戦的発言をした勇気は,まさしく言わねばならないことを書いたということである。私なんぞはハンドルネームを使ってこのサイトで本の感想を書いていてかなり自分を抑えて書くことがある。特に時の政権に関連するときである。せめて本書に登場する望月記者を応援ぐらいさせてもらう。この本でも感想は私を含めて11名とは。これは忖度故か。2020/04/28
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