内容説明
「売春婦」なら被害者ではないのか?見過ごされてきた日本人「慰安婦」の被害を問う―
目次
第1章 日本人「慰安婦」はどう集められたか(日本人「慰安婦」の徴集と近代公娼制度;長崎事件・静岡事件大審院判決を読む―「慰安婦」強制連行は誘拐である;植民地朝鮮の公娼制度と「慰安婦」制度;日本軍の慰安所政策について)
第2章 日本人「慰安婦」はどう扱われたか?(日本人「慰安婦」の処遇と特徴―性奴隷を正当化した戦時ナショナリズムと「性の防波堤」論;書籍・雑誌にみる日本人「慰安婦」;慰安所業者の聞き取りから;沖縄・芭蕉敷の慰安所の事例―平岡知重さんの聞き取り;沖縄の日本軍慰安所)
第3章 日本人「慰安婦」の戦後はどうだったか?(日本人「慰安婦」の戦後―菊丸さんの場合;書籍・雑誌にみる日本人「慰安婦」の戦後;日本軍「慰安所」からRAA・占領軍「慰安所」へ)
著者等紹介
西野瑠美子[ニシノルミコ]
「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)共同代表、日本人「慰安婦」プロジェクト・チーム。2004年度日本ジャーナリスト会議JCJ賞、第一回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞など受賞
小野沢あかね[オノザワアカネ]
立教大学教授。専攻は日本近現代史・女性史。VAWW RAC運営委員、日本人「慰安婦」プロジェクト・チーム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
10
著者の考えはわかりました。断言するからには一次資料で根拠を示す必要があるのではと思いました。インターネットの古本で買いましたが、前の所有者の書き込みが酷く辟易しました。2021/12/23
えんさん(연싼)@読書メーター
2
日本人「慰安婦」がどのように動員され、戦後はどうだったのかを調査した論文集。戦前は「お国のため」とナショナリズムを利用されたが、戦後は「売春婦」と罵られ、蔑視する性差別が元「慰安婦」たちを沈黙に追いやっている。日本国家による彼女たちへの補償なくして、「慰安婦」問題の解決はないのだろう。2015/09/27
しじま・炎のラニーナchang
1
先行研究。ふつうにスティグマタイズドが前提にあるのに功績論と生贄論に二分されるのは、時間的有限性を感じちゃうな(論理の欠缺ではなく時代的な限定)。でもそこに連続性を見出せなければ研究として繋げられない。「人権」概念(徴兵も慰安も肉体を他者に譲り渡すような人間の根源的問題)でこのことは果たして整理できるのか?それが可能なのか?別のアプローチがあるのかな?2022/11/10