内容説明
佐幕に散った男たちにとって「国」とは何だったのか?官軍と戦った志士たち。敗北はすれども、その「義」や「志」はいまだ輝く。彼らが夢見ていたものは何か?その烈しき生に迫る論集。
目次
神保修理―その足跡を尋ねて
山本帯刀―会津に散る!長岡の若き家老
中島三郎助―幕府海軍を逸早く構想した国際通
春日左衛門―知られざる英傑
佐川官兵衛―会津の猛将から剛毅朴直の大警部へ
朝比奈弥太郎泰尚―水戸の執政、下総に散る
滝川充太郎―猪突猛進を貫いた若き猛将
森弥一左衛門陳明―桑名藩の全責任を負って切腹した
甲賀源吾―東郷平八郎が賞賛した、宮古湾の勇戦
桂早之助―剣隼記 京都見廻組
玉虫左太夫―幕末東北を一つにまとめた悲運の国際人
雲井龍雄―米沢の俊英が夢見たもう一つの「維新」
赤松小三郎―日本近代化の礎を作った洋学者
松岡磐吉―榎本軍最後の軍艦「蟠龍」艦長
著者等紹介
星亮一[ホシリョウイチ]
1935年仙台市生まれ、作家。一関第一高等学校、東北大学文学部卒。日本大学博士課程前期(総合社会情報)修了。福島民報記者、福島中央テレビ制作部長、報道制作局長等を歴任。2004年、NHK東北ふるさと賞を受賞。戊辰戦争研究会主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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ゴールドまであと951日
6
いま「朝敵」といえば、徳川15代将軍徳川慶喜、鳥羽伏見の戦で、薩摩・長州軍と戦うにあたり、優勢であったはずが、錦の御旗と称する岩倉具視の発案で掲げられた幟で、官軍が委縮した。これが真実かどうか、事実であっても、結局は薩摩・長州軍が勝ったことが事実、これにより徳川慶喜は朝敵とされ、戦意を失い、大阪へ逃走、そして幕府軍を放置したまま江戸へ逃げ帰った。その時期、明治に至るまで、幕府方あるいは反朝廷方に立って戦った武士たちの話である。多くが永年の幕府の恩顧、主義出張、薩摩・長州への反感からの出発で、一読に値する。2021/09/17