内容説明
円ほど単純でなく、さりとて多角形のように稜(かど)が目に立つこともない楕円の微妙な美しさ―。74歳の文学青年が、四人の作家を杖と頼んで歩んできた自己の軌跡を独特の感性と表現、ユーモアをもって綴る。
目次
第1章 楕円を描く(賢治を焦点として;漱石を焦点として ほか)
第2章 初期ドストエフスキイについて(「貧しき人々」―ただならぬ初老の九等官ジェーヴシキン;「分身」―自意識を病む九等官ゴリャードキン ほか)
第3章 漱石と賢治における“父”と“母”(階段教室;「コピー・キャット」 ほか)
第4章 初期古井由吉について(「雪の下の蟹」―針を埋めこまれた蟹;夢の話―孫娘の明るい糾弾 自我の広がり 分身幻想 ほか)
1 ~ 1件/全1件