内容説明
1945‐1951。戦後の日米関係が始動したその時、日本人は「彼」に何を期待したのか。民主主義草創期に手紙を書いた人々のその後を尋ね、人々が思い描いた日本がどう変わったかを考証した。
目次
第1章 過去を問う
第2章 意を決して
第3章 恨みつらみ
第4章 力を貸して
第5章 親近感
第6章 不正を告発
第7章 罪の軽減を
第8章 祖国に
第9章 追放すべき人たち
第10章 新聞をめぐる
第11章 感謝
著者等紹介
伴野昭人[バンノアキヒト]
1964年、北海道生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業。広島大学大学院社会科学研究科博士課程前期修了。90年、北海道新聞社入社。現在、帯広支社報道部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
13
『拝啓マッカーサー元帥様』(https://bookmeter.com/books/176654 )と同テーマだが、北海道民からの手紙に絞ってあるのが本書の特色。炭鉱争議やアイヌ独立、樺太からの引き揚げに関する投書などに北海道の地域性がよく表れている。このようなローカルかつ雑多な問題でも解決能力を期待されたのだから、当時の日本人にとってマッカーサーはまさしく万能の神に等しい存在であったのだ。2024/07/03
jack
2
被占領者も、占領者も過酷だ。国家の恒常性に対して、真摯に向き合わねば、また繰り返されるかもしれない。☆5.02021/05/08
takao
1
ふむ2024/12/15
ななっち
1
占領期にマッカーサー宛てに出された手紙は50万通。そのうち北海道からどのような手紙が出されていたのかをピックアップして掲載しています。組合運動の激しい折の告発文も多く、何となく食傷気味のものもある一方で、BC級戦犯裁判にかけられている夫を救おうとする女性の嘆願等、非常に切実で純粋なものもあり、当時の世相、北海道事情を知るうえでも興味深い歴史本であると思います。2013/01/09