内容説明
見慣れたドイツ語の単語もゴシゴシ磨くと、思わぬ素顔が現れる。単語や文法に潜むドイツ語の奥行きを探索し、その魅力を縦横に語る。軽快に楽しく綴る語学エッセイ。
目次
異教徒ハイドン
dreissig
右と左
亀は楯を構えた蛙?
性についての繰り言
「おなか」
出もの
トイレ
蜂蜜スライスScheibenhonig
Hanf「麻」とSenf「芥子、マスタード」〔ほか〕
著者等紹介
石川光庸[イシカワミツノブ]
独語学・ゲルマン語学、洋学史専攻。元京都大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラヲ
5
『匙はウサギの耳なりき』の姉妹本。数々のコラムの中でもGrüß Gottの意味なんかは流石に考えすぎだと感じたが、30だけdrei-ßigになる理由なんていうのはまさに第二次子音推移を説明するのに恰好の例ではなかろうか。またどの言語もそうだが、ドイツ語にもVolksetymologie(民間語源説)へと誘う罠がところどころに仕掛けてあることに気付くことができた(例えば印欧語やゲルマン語本来の語彙をラテン語由来だと勘違いしてしまうケース)。読者を古英語・ゴート語・古ノルド語の学習へと導きかねない危険な一冊。2015/12/14
ろーじゃ
1
ドイツ語の語源やそれらに関する蘊蓄本。面白いといえば面白いですが、何についても真っ先に語源について考えるようになると、文字通りの奇人と化す事は本著と著者を見ればよく分かるはずです(著者自らそう言っています)。少々下品な言葉や語源も度々扱っているのでその点は注意。ただ、シャイセ(英語でいうfxxk)などの語源なども真正面から取り扱っているので、頼もしいといえば頼もしい本だなと思いました。2013/12/25
tieckP(ティークP)
1
ドイツ語の単語の語源を調べながらうんちくが語られる本。個人的にドイツ語の語源はたどってもなじみがないため(ラテン語やギリシャ語に単語の多くを由来する言語とは違って)「ああ昔からそうだったのか」「へえ、昔は違う意味だったのか」というくらいの感慨しかわかないけれど、この本は語り口の面白さもあって、けっこう読み進む。ときどきラテン語由来ながら、その時期が古代に近いために古くからのドイツ語のような顔をしている単語が解説されると、語学的な興味も湧く。まあ基本的には著者が述べているとおり、中級者以上の息抜き本だろう。2013/07/14
どぅまち
0
ほかのヨーロッパ言語の関係や、人の移動が文化や言葉を形作ったことなど、ドイツ語の意外な歴史を知ることができる。「はしがき」や「あとがき」で断っているとおり、これらを知っているからといってドイツ語が上達するわけではないかもしれない。ただし、知識や文化というのはえてしてそういうものであろう。すぐに役立つものがすべてではない。一見関係なさそうなあれこれがエッセンスとして利いてくるのではなかろうか。2014/12/11
-
- 和書
- 日本一のからくり師