内容説明
昭和に忘却された呪われた小説家!説教強盗・満洲事変・二・二六事件、東京朝日新聞のスクープ記者から『オール讀物』を支える流行作家へ。
目次
序章 池袋・人生坐の「日の丸」
第1章 疑惑の朝日新聞記者「三浦守」
第2章 説教強盗の暗躍と昭和天皇の即位大礼
第3章 岩の坂貰い子殺し事件の謎と『婦人サロン』
第4章 浜口雄幸随感録のスクープから満洲事変へ
第5章 満洲事変下の『オール讀物號』と三角寛
第6章 実話「昭和毒婦伝」を母胎に誕生した「サンカ小説」
第7章 「日本怪種族実記」から「貅水窩のおりん」へ
第8章 時代は「丹沢山悲炎記」から天皇機関説の排撃へ
第9章 「サンカ小説」とウルトラ・ナショナリズム
著者等紹介
今井照容[イマイテルマサ]
1957年生まれ。よろず評判屋。80年中央大学法学部卒業後、出版専門誌に携わること三〇年。『マージナル』(現代書館)にサンカ関連の論文を連載する。「三角寛サンカ選集全十五巻」(現代書館)の編集に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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midnightbluesky
5
サンカの存在そのものよりも、三角の怪しさと当時の世相もあいまって、サンカが本来の姿を越えた存在として描かれてしまっていることに着目している。2013/02/10
がぁ
5
時代や世相を織り交ぜつつ、当時の文学やジャーナリズムの変遷と併せて語られるので理解しやすい。ただ、ナショナリズムと三角「サンカ小説」の関連づけに飛躍を感じる。時代が生んだ申し子なのだろうが、何故この時代に、というところに納得はいかなかった。2011/12/05
トリコ
0
昭和初期という時代とその時代で一世を風靡した三角寛の「サンカ小説」を時系列で追ったノンフィクション。サンカ小説の話はもちろん、三角寛が新聞記者だった頃に手掛けた事件の話も面白かったのですが、三角寛の行動を何かにつけて時代の動きと結びつけるのはやりすぎかなーと思いました。それはさておきこの本でサンカ全集が出版されてることを知ったので読んでみよう。2012/03/01