感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
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1990年のソ連崩壊直前までの、ソ連内の各民族のおかれた状況を概観。この時期のソ連の民族問題とは、バルト三国、カフカズ三国、中央アジアなどの専ら非スラブ系民族の独立運動が中心となるが、それだけロシア人支配に対する反発が強かったことの表れ。この本では、ソ連内の「国を持たない民族」であるメスへティア人とユダヤ人に関して言及があるのが珍しい。メスへティア人は事実上のトルコ人で、とかく存在が無視されがちらしい。結局、共産主義が克服するはずの民族問題は全く解決しておらず、当局の抑圧や懐柔で押さえ込んでいたのが現実だ2025/07/26
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- 和書
- 1%の力