出版社内容情報
著者が長年、障害をもつ人の学習文化支援に携わることによって実感した、社会とのつながりの重要性。本書ではその「つながり」を地域における就労として、就労の中で学び、学びながら働き続けることによって、互いの営みが活性していくと主張する。さらにその営みによって、地域の中での「自立」が真に可能になり、障害をもつ人の生活の質(QOL)と人権が担保されると考える。上記のような主張をもとに、障害をもつ人の人権と自立を支えるための概念、日本・世界における就労の実践を紹介。
内容説明
「自立」と「依存」は相補関係にある―。障害をもつ人の自立に向けた豊かな可能性を就労支援の視点から実証的に迫る。
目次
第1章 「自立」と「依存」の相剋を超えて―相互依存と相互扶助の視点から
第2章 障害をもつ人の人権から考える―優生思想と「固有の尊厳」
第3章 水俣における共生のまちづくり―「ほっとはうす」から「きぼう・未来・水俣」へ
第4章 北欧・イタリアでの精神保健福祉・教育文化の取り組みをたずねて
第5章 精神障害当事者のリカバリーを支える―米国のヴィレッジISAの取り組みから
第6章 障害をもつ人の就労支援の展望と課題―ソーシャルファームと農福連携
第7章 障害をもつ人が働く喫茶(カフェ)の可能性と課題―コロナ禍での対応をめぐって
終章 北田先生の近藤益雄論によせて
著者等紹介
小林繁[コバヤシシゲル]
1954年福島県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学(単位取得)後に明治大学で教鞭をとり、現在、文学部専任教授。専門は社会教育で、生涯学習と教育福祉の視点から障害をもつ人の生涯にわたる学習文化支援および障害をもつ人が働く喫茶(カフェ)の取り組みにも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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