出版社内容情報
戦中に親を失い、戦後に「障がい」を得た近藤秀夫。1964年東京パラリンピックに出場した後、車椅子の公務員として町田市で20年活躍し、地域を変革してきた。妻である樋口恵子は、日本の自立生活運動のリーダーとして基礎を形成し、国政にも挑んだ。二人のライフ・ヒストリーとインタビューを題材に、戦後障害福祉と自立生活運動の歴史を描く。
近藤と樋口はその存在を通して、障害者を、庇護される者から自分の意見を主張する者、仲間の意見を代弁する者、そして社会を創る者へと変換させたといえる。本書では、二人の当事者活動を「ソーシャルワーク実践」と位置付けて、その今日的意義を探った。タイトルの「恵み」とは、「障がい」を通して経験した様々な格闘のプロセスと、多くの人々との出会いのこと。
障がい者を、庇護される者から社会を創る者へと変換させた2人。
戦後障害福祉と自立生活運動の歴史を描く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱーぷる
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私が町田での生活と同時に関わった障がい福祉で影響を多く受けた人の中に近藤さん、樋口さんもはいる。近藤さんと前田さんを新宿のセンターまでお連れしたとき、軽々と自分の車いすを積み込んだ姿に車いすユーザー、、、。樋口さんは障がいがあるとは普段は意識せずに付き合っていた。パッチワークの得意な女性、、この本を読んで、二人とも人生を障がいを持ち合わせたことでそれをばねに様々な活動展開してきた。この行動力は何なのだろう、、「命の価値に優劣はない」この言葉は近藤さんが発した言葉と言うことを知った。2023/12/12