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内容説明
日本哲学界における金字塔のひとつともいえる『善の研究』は、東洋思想の枠を超え世界的にも大きな影響力のある著作である。西田研究者として数々の著作を発表している著者が、現代社会での身体の持つ困難とその解放を、西田哲学をベースに考えていく本書は、いわば『善の研究』を出発点にした身体論というべきものである。現代社会での自己中心性“我執”がもたらす身体の「こわばり」は大きな問題だが、さらに今回の感染症の流行で、自己他者いずれにおいても管理・統御・監視による身体の「こわばり」が大きな関心ごとにならざるを得なくなってきた。このように、日々、生きづらくなっていく身体をどのようにゆるめて「ほどいて」いくか。自己と他者、そして社会との関係、そこでの身体の在り方などを徹底的に考え抜くことによって困難な時代の出口を探していく。
目次
序章 西田哲学と身体
第1章 現代の身体
第2章 『善の研究』の「経験」と身体
第3章 後期西田哲学の「制作」と身体
第4章 苦しみを苦しむことまでを楽しんで息する身体―こわばる身体がほどけるとき
終章 身体の生きづらさをほどいて生きる
著者等紹介
板橋勇仁[イタバシユウジン]
立正大学文学部(哲学科)教授。専門は近現代日本思想、近代ドイツ哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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