目次
妖怪・霊獣・神さま編(神の始―いちばんええ山もろたんは、何番目の姫神?;カクラサマ―子どもと遊ぶのが大好きな里の神様;ゴンゲサマ―火伏せの神様は、片方の耳がない ほか)
不思議な動物編(猿の経立―年取った猿は化け物になって人をおどかす;狼―鹿や馬を喰い破る山の猛獣;熊―新聞記事にもなった格闘 ほか)
怪異・不思議な話編(山の霊異―夢か現か幻か、深山での出来事;塚と森と・蝦夷の跡―伝説をめぐる地名と地形;館の址―安倍貞任と八幡太郎の合戦のなごり ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びわこっこ
35
昨日、居住地にある酒蔵へ研修に行ったとき、遠野でコップ酒片手に、語り部のおばあちゃんが岩手訛たっぷりの怪異な世界を語ってくれたのを思い出し、ひっぱり出して来て読み返した。関西出身の私がストーリーテリングするのに 良いだろうと、あえて関西弁に訳したこの本を選んだが、元々、筆者の柳田国男さんは、播州生まれの関西人。119話からなる『遠野物語』を語り物の芸能が盛んだった上方の言葉に訳し、広く現代人に読んでもらえる事を喜んでいるのではないか! 妖怪・霊獣・神様などの不思議な世界を久しぶりに愉しんだ。🤗🍀☃️2023/01/18
kenitirokikuti
10
きわもんかと思ったのだが、著者は大阪市東住吉区生まれの民俗学者で、柳田國男は播州育ちである。摂津のことばと播磨のことばはだいぶ印象が違うのだけど、まあいいか(わたしは、神戸市の育ちで、父は宮城県の岩手に近いところの出身)。ぱっと目を通してて気づいたけど、遠野物語の語り手は男やね。上方のことばに翻訳すると、おっちゃんがしゃべっとるふうにしか思えない。2020/04/26
テッテレこだち
4
『遠野物語』の関西弁による抄訳再編集版。まずコンセプトになんで?と思ったら柳田國男は関西人なので、ということらしい。まあ文言文というか古文って関西弁だもんな…。『遠野物語』そのものを既読なのと、自分が関西人なので全体的には読みやすかったけど、柳田の出身は兵庫のはずだが尋ねるを「たんねる」にするのは関西やとどっちかというと泉州南部から和歌山方面とかやなかろか…とはなった。2024/10/23
らいしょらいしょ
3
なんで関西弁。と思うけど、柳田國男は播州生まれだったか。そしてそのアクセントが抜けなかったというんだから、遠野の物語でも頭の中ではこうだったかもしれない。関西弁ネイティブとしては、若干の違和感もないではないが、ちゃんと読んだことのなかった遠野物語、とっつきやすかった。暗がりと自然の力には、人間たちの感情をワンクッションおいて、物語が生まれるのかもしれない。2021/08/04
spike
3
よくある関西人モノ(?)と勘違いしてたのだが、文語の遠野物語を関西弁で書き下せばより雰囲気が感じられるのではという、なかなかに興味深い切り口。たしかに語っている人の体温というか息吹がバーチャルに実感できたような。2020/09/20
-
- 電子書籍
- モデル失格 幸せになるためのアティチュ…