内容説明
「私、あなたに飼われることに決めました」自宅の庭に現れた小さな猫が、引退した大学教授の人生を変えた。スウェーデン発のベストセラー・エッセイ。心理学の教授が読みとく猫の世界。
著者等紹介
ウッデンベリ,ニルス[ウッデンベリ,ニルス] [Uddenberg,Nils]
スウェーデンの大学で医療心理学を教え、生命観の研究に従事している。2003年に著書『Id´eer om livet(人生についての考察)』でアウグスト賞(スウェーデンの最も権威ある文学賞)を受賞
グスタフソン,アーネ[グスタフソン,アーネ] [Gustavsson,Ane]
ノルウェー系スウェーデン人のイラストレーター、音楽家。主に児童書の挿絵画家として活躍している
富原まさ江[トミハラマサエ]
『目覚めの季節―エイミーとイザベル』(DHC)で翻訳者デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miww
79
「これはペットを飼うつもりなど金輪際なかった私が、どんなふうに『猫にぞっこんになっていったか』という物語だ」自宅の物置小屋に住み着いた猫に戸惑い、いなくなってくれる事を願っていた老夫婦。しかしその猫はいつの間にか「うちのキティ」としてかけがえのない存在になる。何日も帰って来ないキティを心配し、猫ドアを取り付け、好みのキャットフードを与える自分の溺愛ぶりを客観的に語る。猫の習性の分析は猫飼いには共感できるものばかり。猫を溺愛する人のエッセイと学術書がひとつになったような一冊。2016/03/29
ユカ
59
読友さんが読まれていて。とてもおもしろいです。著者が元精神分析医で、猫と暮らすなかでの自身の思考と猫の行動について淡々と分析していて、こういう猫エッセイはあまりないのでは。旅行でも読書でも訪れたことがないスウェーデンも、新鮮でした。猫が何を考えているかの考察は、精神分析医だけに説得力がある。猫の、めげず、根に持たず、今だけを生きるところは人間も学べるところだというのは激しく同感。猫あるあるもいっぱい。この本と出会って、わが家の猫が一層愛しくなりました。わたしもゆずをじろじろ観察して、いろいろ考えてみよう。2016/09/29
Aya Murakami
56
タイトル通り老人宅に猫が住み着いてそのままパートナーになるという話。作者がいうように何十万もする血統書付きの猫ではないですが家族から愛されているというのがよく伝わってきた。シジュウカラのさえずりがキティーキティー(キティは作中にでてくる飼い猫の名前)と空耳として聞こえてくるように…。2018/06/18
たまきら
30
読み友さんから。科学者や文学者、こわもてなスポーツ選手が猫を抱いている。それだけでなんだか、ほんわかする。小学生だった自分がゴッドファーザーを好きになったのも、ドンが猫を抱いてたからだ。そして、素晴らしい知性をお持ちな多くのこれらの人たちが、猫にメロメロになって「浮気してるような気持ち」になっているのがほほえましい。猫好きにはたまらない本の一冊だと思う。2016/05/31
eipero25
23
なれそめのあたりは何でもないのに涙を誘う。出会い、躊躇、避妊手術、家出、ねずみのお土産。 家と外を自由に行き来する、猫らしい生活をさせてあげる飼い主。 前半はほのぼのエッセイ、後半は教授らしく猫を分析している。 難しい分析はさておき、老教授は猫にメロメロ。人生の終わりに最高のごほうびが与えられましたね。 クロアシネコを教えてくれてありがとう、教授。2017/08/19