内容説明
アラスカの町に現れたオオカミと人や犬との感動の物語。いつしか町に溶けこんだ黒いオオカミの常識を覆す数々の行動と住民との触れ合い、そして衝撃的な運命を描く、心に迫るノンフィクション。
目次
オオカミだ!
関わり方のルール
ロミオ
正真正銘のオリジナル
撃って、埋めて、口をつぐむ
生き残り戦略
名前に何の意味があるの?
新しい日常風景
奇跡のオオカミ
オオカミにささやく男
パグとポメラニアン
フレンズ・オブ・ロミオ
殺害者たち
夢の重さ
著者等紹介
ジャンズ,ニック[ジャンズ,ニック] [Jans,Nick]
ライター、編集者、写真家。30年以上にわたってアラスカに暮らし、その間、オオカミの研究と撮影に取り組んできた。現在、『アラスカ』誌の外部編集者と『USAトゥデー』紙の編集委員会外部委員を務める。ジュノー在住
田口未和[タグチミワ]
北海道生まれ。上智大学外国語学部卒。新聞社勤務を経て翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あずき
18
アラスカのジュノー、人の住む町に溶け込んだ野生のオオカミの6年を綴る。凛々しく静かなオオカミがある日突然現れる。人々が驚き、戸惑い混乱し理解しようとする中、オオカミは決して人を襲う事なく散歩に来る犬と戯れる。オオカミと人と犬が友人になる奇跡。著者はオオカミを敬愛しながらも、出来る限り客観的にこの奇跡を伝えようとしている。オオカミの歴史や習性も分かりやすく私もすっかりオオカミの虜になってしまった。やがて訪れる別れ。もって行き場のない気持ちをどうしたらいいのだろう。覚悟して読むべきだった。感動と哀しみの一冊。2018/04/06
橘
8
21世紀初頭、アラスカに漆黒の若いオオカミがいた。彼はいつしかロミオと呼ばれ、人々の友愛あるいは嫌悪の情を呼び起こした。これは、彼を“友人”とみなしていた著者が語る、彼の行動と交流の記録。ロミオが魅力的であればあるほど、書き手の深い哀しみが垣間見えて読み進めるのに躊躇いが生じる。…そのせいですべてを読むことは叶わなかったが、皆には最後まで読んでほしい。かのロミオを記憶にとどめおく為に。2019/05/19
みー
8
どうしてイイも悪いもこうした事柄に、人間が絡んでしまうのだろう・・。温かく見守るのも人間。それを終わらせるのも人間。多数使われている写真は息をのむ美しさと、無邪気さに溢れている。・・アフリカで同じように狩りの対象として殺されたライオン「セシル」が頭をよぎった・・。私は、ただただ自分の趣味・嗜好の為だけに「狩り」を楽しむという行為がどうしても理解できない・・。2017/03/25
おかーきゃん
7
図書館本。アラスカジュノーの人々と野生のオオカミとの交流。人間だって十人十色いろんな人がいて、「狼の群れと暮らした男」のような人もいるから、ロミオみたいなオオカミがいても不思議じゃないのかな。ほんとうに奇跡のような数年間の話。後半読みながら涙が溢れてしまった。2019/08/02
あきぴー@武蔵国
3
野生動物で孤高のイメージがあるオオカミと人間の触れあい、悲劇を書いたノンフィクションで読みごたえがある。 ニホンオオカミを復活させたいなぁ。 評価:★★★★☆2018/11/17