内容説明
標本ではない!世界中から集めた生態写真229点。生きている透明生物を探せ!朝露が滴る山々、密林の奥地、熱帯のドロの川、光のない洞窟、大海原、深海、サンゴの森、ミクロの奇界を大追跡!
目次
花びらがガラスになる一瞬を探せ
透明な蝶が花びらの色に変わるとき
緑の館に隠された密林の宝石
洞窟のザリガニ
誰がために体は透ける
透明な熱帯魚は、にごったお水がお好き?
海の小さなEXILE―貝殻の呪縛から解き放たれ、いずこへさまよう
極小宇宙のエイリアン―ミクロの奇界へ旅する
キバなんか、こわくない―珊瑚の海のツヨキなガラス細工
ようこそ!ガラスの動物園へ〔ほか〕
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
347
写真家の名前がないのだが、なんとも鮮やかな透明生物群。透明な生き物といえば、まず思い浮かぶのはクラゲの仲間や、クリオネ、それから熱帯魚ショップに普通にいるグラスキャットフィッシュ。だが、ここには驚くほど多種多様な透明生物たちがいる。植物、昆虫の仲間、菌類、魚類、軟体動物、両生類と、ほんとうに百花繚乱のありさま。生物の多様性を目の当たりに見る思いがする。写真が圧倒的に中心で、解説部分はあまり詳しくはないのだが、それでも一応は透明であることの意味や功罪などが示されている。2023/11/06
KAZOO
158
この表題からすると私は海の生き物ばかりだと思っていたのですが、植物や昆虫などほかにも様々な体の透き通ったいきものがきれいな写真で紹介されていて目の保養になりました。結構知らないものが多く地球の生物にはまだまだ数多くの謎を秘めた生物がいることを改めて知らされました。2017/03/17
藤月はな(灯れ松明の火)
73
基さんの感想がきっかけで興味を持った本。濡れるとガラスになる花やぷるぷるとしたジェリー・キャタピラ、謎めいたブチャイクなデメニギスや巨神兵のようなオタルマワシにワクワク。そしてネオン燈のような虹海月、クリムト作品の金を連想させる扁形動物、花火のように広がる釣鐘海月の触手というように透明だからこそ、際立つ自然の神秘が生み出した色彩美にうっとり。ミズクラゲの生殖サイクルはなぜか受肉した神の使いが地上で子を産み出す様なイメージと重なりました。2014/05/11
にし
70
粘菌からキノコ、多肉や蝶々、海の生き物まで透明な生き物の写真が見事。その美しい生態写真をみるだけでも生命の神秘を感じられます。眺めてるだけで心が洗われるのは透明だからかも。目の保養に購入しました。2014/03/25
らぱん
68
想像よりもはるかに多種の生物群に透明、半透明なものがいることを知った。 不思議さで魅了されたのは向こう側が見える透明よりも身体の内側が見えるもので、例えば書影だが解説を読んで初めて下から見たカエルだとわかった。その意味で一番奇妙なのは深海魚デメニギスで頭部だけが透けていて構造が見える。さながら魚型の潜水艇で頭はまさにコックピット。尖った口のすぐ上にある目のようなものは鼻で、目はコクピットの中の二つ並んだ半球ドーム。造形の妙。 創造主のイマジネーションの凄さを知ることのできる写真集だった。↓2020/09/20