内容説明
福知山線の一両目に乗り合わせて脱線事故に巻き込まれ、奇跡的に助かったその目は「真実」を見た。
著者等紹介
吉田恭一[ヨシダキョウイチ]
昭和40年、島根県江津市生まれ。兵庫県宝塚市出身。在阪放送局勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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C-biscuit
12
実のところ詳しく知らなかったので、良い機会とした。福知山線は、技術士の技術者倫理などでも出ていることがあり、事故そのものは有名な事例である。ただ、技術的な要素に加え、システムに人間の感情や組織の仕組みなど複雑に介入しており、技術者倫理のみで語ることができない要素だと感じていた。この本は、107名もの死者をだした事故で、一両目に乗り合わせていた生存者の手記であり、また、鉄道ファンとマスコミ関係者という立場の人が書いたものである。本にはなかったが、当時、置石の疑いがあるなど、JR西日本側の対応を思い出した。2015/08/30
ごろ
4
被害者からの視点のみなので 事件全体、他の車両の事は他の本を読まないとわかりません。 それでもまだこの方は後にふつうの生活に戻れたので良かったと思う。 普通の日常が急に普通でなくなる。 誰にでも起こり得る事でその時どうするか、を強く考えさせられる。2018/05/16
藍梨
3
福知山線脱線事故で1両目から生還された方の手記 鉄道好きでマスコミ関係者だけあり考察や文章も読みやすい。 何より救出場面のレスキューや医師とのやりとりが涙なしには読めませんし臨場感がよく伝わって来ます。 惜しまれるのは現場で吉田さんの命を救った医師の方が普段の緊急医療に加え、瓦礫の医療を広めたい病院による過剰な講演会等の詰め込みや嫌がらせで過労自殺に追い込まれた事でしょう。 この方もまたある意味犠牲者の1人ですね。2015/09/17
ふたば
2
感想を述べる言葉がない。努めて冷静に目で見、耳で聞いたことを語ることを自らの責務とする著者の姿勢に頭が下がる。あの一両目から奇跡的に生還した著者でなければ語れない内容である。2021/03/19
Kenta Takahashi
2
福知山線事故で一両目に乗って被害に遭われた方の手記。胸に迫るものがあり、読後の感想をなかなかうまく表現できない。只々このような事故が2度と起きないことを願う。2013/10/01