目次
1 私はどこにいるのか?(私;出発点)
2 創造の端緒は発見にあり(旅;場所)
3 ことばの中で育ち形の中に住みつく(形姿;希望)
4 DISCONT:不連続統一体(曖昧;矛盾;回帰)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
27
風貌からして仙人のようだ。そして本に書かれた言葉は禅問答のように奥が深い。今和次郎に師事し、ル・コルビュジェに学んだという。建築家だけでなく、探検家であり登山家、教育者、文明批評家としても活躍された凄い方だった。興味が尽きない。2018/10/30
まるのすけ
2
建築家のいろんな言葉 いわゆる建物としての建築ではなくて 人が生きることについて書いてる言葉があちこちで語られた・書かれたことをまとめたもの2022/06/22
55くまごろう
2
吉阪隆正という人は、単に建築家であっただけでなく、思想家であり哲学者であり、また教育者であった。戦後まもなくという時代のカラーを強く感じるが、人が集い民主的に議論を重ね、常識にとらわれず真実に迫ろうとする姿勢に感心すると同時に、ある種羨ましくもあった。建築は保存するものではなく、時代とともに建て替えられていくべきものという考え方も、ものごとの固定化を嫌う考えから来ているのではなかろうか。作品に思想を感じる、そんな建築家だった。2022/04/23
ぼっせぃー
1
編者が同じ為企画展での展示でピックアップされた部分との重複を多く含み、編者のような吉阪隆正の業績をよく知る人間の、自由な思想のあり方や人間としての幅広い魅力を知らしめたいという意図はよく分かるのだが、実際の作品に多く触れられていない身からすると若干散漫な内容に感じた。特に「不連続統一体」と「有形論」の小論を載せてあるのだから、展覧会で模型や写真でそれら理念が結実した作品に触れられたように、書籍でならより具体的なそれぞれの論考等の紹介があってもよかった。まあそれについては専門で読めということなのだろうけど。2022/06/29