内容説明
米ソの冷戦が終り、九〇年代にはいると、新しい国際関係が生れだした。日本ではこれを受けて、日米安保体制の強化を再確認し、一層緊密な軍事協力を進める姿勢を打ち出している。これが、再び、「国のかたち」をめぐる論議を生みだし、憲法調査会の設置となってあらわれた。本書において取りあげている憲法調査会の論議はそのことを明らかにしている。ところで、本書は、このような基本的認識を視座においているとはいえ、九〇年代の憲法状況をすべて網羅しているわけではない。近年、憲法研究者の一員として、著者なりに取り組み論稿として発表されたものの一部を収録した。
目次
第1部 日本国憲法の問題状況(日本国憲法の現在・未来;憲法問題の現状と憲法学 ほか)
第2部 立憲主義と議会制論(議会制民主主義と政権交代―戦後憲法五〇年史を通じて;議員立法(唯一の立法機関) ほか)
第3部 政治改革諸立法の諸問題(政治改革立法と憲法;政治腐敗行為の防止 ほか)
第4部 憲法五〇年の史的展開(日本国憲法五〇年の軌跡と展開;政治資金規正法の史的展開 ほか)
著者等紹介
吉田善明[ヨシダヨシアキ]
1936年生。現在、明治大学法学部教授。法学博士
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