内容説明
本書では、21世紀においても最大のテーマたりうる「福祉国家」のあり方に焦点をあてて、その原理と現状を改めて検証した。問題をたんに抽象的なレベルで議論するのではなくて、福祉政策の実質的な担い手としての地方自治体の側から構築しようという意図から編集されている。福祉国家の将来は、地方自治体による政策実行と地方分権システムによって展望できる。
目次
21世紀の福祉と財政
第1部 福祉国家の政府間財政関係論(福祉をめぐる政府間財政関係;福祉財政の構造について;財政調整制度の根拠と制度設計 ほか)
第2部 福祉財政の展開と政策(日本における福祉国家型財政の形成;「福祉国家」の分権化と財政改革―分権時代の福祉財政の諸問題;社会福祉の政府間財政関係―1980年代後半から90年代初頭の変化を中心として ほか)
第3部 福祉財政の国際比較(ロンドンにおける貧民救済活動について;イギリス社会福祉における政府間行財政関係の検証―1990年代を中心として;イギリスにおける幼児教育バウチャーの導入と廃止 ほか)