内容説明
宮内産業社長秘書の佐伯加津子は、元高級コールガールだった。だが、宮内社長の庇護のもと、いまわしい過去がしだいに薄れだした折も折、その宮内が変死した。警察の自殺という断定に不審を抱いた加津子は、美貌と肉体を武器に再び過去の世界に身を堕し、真相を探り始めた。最愛の男のためだけに生きる女の孤独な闘いと復讐をミステリアスに描く傑作長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
slowbird
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大阪の水道バルブを作っている企業の社長が入水自殺する。社長秘書兼愛人の女がその夜に会う約束をしていて、自殺のはずはないと独自に真相を調べ始める。戦後の混乱期にメチルアルコール酒を作って儲けた資金で作った会社で、後ろ暗いところはあるし、女の方も生ていくためにさまざまな遍歴を重ねて社長に拾い上げられたわけで、あまり清廉潔白でもない。怪しい人物だらけで、誰が犯人でもおかしくないが、女一人でどれだけのことができるか。多くの人間の過去や内面を洗い出していくのは過酷な作業で、自分の過去も絡んでひどく消耗していく。2024/12/10




