内容説明
中央タコガースの作戦コーチ伊部城二郎の通称はジョージだが、試合になると常時ベンチにどっかと坐っていることから、人は親しみをこめてジョージ・ベンチ君と彼を呼ぶ。勘の良さと判断力が売りものの、少しおっちょこちょいで心やさしい男だ。彼のマンションには同居人がある。喜多悦夫という警視庁捜査一課の警部補だ。二人はかつて東北大学野球部でバッテリーを組んだ仲。この二人のところに、ある妙齢な女性から遺産相続に絡らむ厄介な事件が持ち込まれた。喜多は民事不介入をたてに断固ことわったが、事件好きな伊部は引き受けた。もっと厄介な殺人事件に巻き込まれるのも知らないで…。