内容説明
一九一五年、京都。陸軍中将・柴五郎は予備役中佐・井坂敏幸を訪ねた。井坂は日露戦争時、ロシア軍の動静を探る挺身隊として敵地深く潜入し、見事斥候の任務に成功した人物だった。柴は井坂に、現役に復帰しアラビア遠征への帯同を依頼。対する井坂の答えは、決死の偵察を供にした三人との同行が条件であった。その前年に勃発した世界大戦は中東の地にも及び、ドイツと英国は、敵国の植民地に揺さぶりをかけていた。日英同盟が依然有効であることから、英国は日本に対して派兵を要求。結局日本は欧州遠征は拒否するが、スエズ運河をめぐる攻防に加わることを決断する…。戦乱の中東で国家の威信を背負った日本軍人が大活躍。
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
1958年東京生まれ。83年より10年間英国に在住。90年に「欧州ジャーナル」を創刊、初代編集長に。軍事・戦記から英国政治、サッカーまで幅広い分野の著述活動を精力的に行う
清谷信一[キヨタニシンイチ]
1962年千葉県生まれ。軍事ジャーナリスト、出版プロデューサー。中東・南アフリカを中心に取材活動をする一方、サブカルチャーなどの分野でも活躍中
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