出版社内容情報
・近代日本における「子どもへの罰」の成立過程を精緻に分析。
・明治期の学校規則の変遷を追うことで、政府が求めた教師像の変容を浮かび上がらせる。
・「罰」の持つ社会的機能と意義を捉え直す試み。
近代日本の学校において児童生徒を罰する権限がどのように学校や教師に付与され、また罰がどのように定型化され、そこにはどのような狙いが込められたのかを歴史社会学の視点から分析する。明治期小学校の学校規則を対象に「罰」の成立・変遷過程を描くことで、政府が求めた教師像やあるべき児童像の変容を浮かび上がらせ、また、デュルケムやフーコーなどの社会学理論を援用し、規則や罰が持つ「社会秩序の維持」「近代的主体の形成」といった機能と意義を捉え直す。
【目次】
序章
1.問題関心
2.日本の学校規則と罰の歴史および先行研究
3.本書のねらい
1章 史料と方法
1.理論的視角
2.方法――制度と言説の歴史的構成過程
3.史料
4.時期および対象の設定
5.分析編の概要
2章 児童を罰する権限の付与過程──学校規則と罰則の成立から
1.国および各府県による学校規則の統一過程
2.学校における児童の処罰権限の制度化
3.罰の効率化と児童へのまなざし
3章 学校規則論の形成過程──明治初期に翻訳された英米学校管理論の検討
1.英米学校管理論の分析
2.米国学校管理論における処罰論の検討
4章 児童への罰の正当化過程──「学校管理法書」中の罰の目的の分析
1.「学校管理法書」への着目
2.刑罰の類推による罰の正当化
3. 刑罰と学校における罰の分化
4.教師像の変容を可能にした児童へのまなざしの変化
5.児童を罰する権力を正当化する教育知識
5章 学校での罰の定型化過程──罰則の自由刑と「学校管理法書」の降格儀礼
1.学校における自由刑
2.学校における降格儀礼
6章 児童の服従を生む学校での罰──譴責の分析から
1.譴責の三類型
2.米国管理論に示された罰の諸類型
3.学校における罰の定型化──外面的に行動を規制する罰から服従心を形成する罰へ
7章 学校秩序の創出と維持──停学・退学処分の分析から
1.処罰儀礼としての停学
2.学校制度を維持するための退学処分
3.罰からみる学校秩序の成立
終章
1.本書の議論の概要――児童を罰しうる学校の成立過程
2.フーコーの視点からの考察
3. デュルケムの視点からの考察
4.学校での罰を問い直すために
あとがき/文献一覧/関連年表/索引
内容説明
明治政府は学校規則を制度化する過程で、児童を罰する権限を学校と教師に与えた。児童への罰を教育の方法として位置づけた言説と、学校・教師に期待された役割はどのようなものだったのか。近代日本における学校規則の成立過程やその歴史的背景を整理し、歴史社会学の視点から教育と罰の関係を問い直す。
目次
序章
第一章 史料と方法
第二章 児童を罰する権限の付与過程―学校規則と罰則の成立から
第三章 学校規則論の形成過程―明治初期の翻訳された英米学校管理論の検討
第四章 児童への罰の正当化過程―「学校管理法書」中の罰の目的の分析
第五章 学校での罰の定型化過程―罰則の自由刑と「学校管理法書」の降格儀礼
第六章 児童の服従を生む学校での罰―譴責の分析から
第七章 学校秩序の創出と維持―停学・退学処分の分析から
終章 結論
著者等紹介
水谷智彦[ミズタニトモヒコ]
山形大学教育学部講師。2009年立教大学文学部卒業、2014年同大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程退学。2024年、立教大学より博士(教育学)の学位を取得。尚絅大学助教、講師を経て2024年より現職。専門は教育社会学、教育の歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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