出版社内容情報
・加藤陽子氏(東京大学名誉教授)推薦!
・敗戦直後、人々は昭和天皇の戦争責任をどう論じていたのか。
・現代の象徴天皇制を理解するうえで必読の一冊。
敗戦から講和独立までのわずか七年間――いまだ傷あと癒えぬ人々が真摯かつ切実に問うたのは、一度は追及を免れた昭和天皇の戦争責任と、それを引き受けるかたちでの〈退位〉だった。新史料『昭和天皇拝謁記』などからひも解く、象徴天皇制の誕生前夜?
加藤陽子氏推薦!
人々がそれぞれの立場から天皇の責任や退位を論じた占領期――君主無答責という近代の論理と、道義的存在としての天皇像がせめぎあう。その言葉と論理を見事に分析した本書は、現代の天皇制理解に不可欠の一冊だ。
【目次】
はじめに
令和の天皇・皇后から愛子内親王へ/平成の天皇・皇后のあゆみと「おことば」/本書の構成
第1章:国破れて、ミカドあり
一. 敗戦
二度の「御聖断」/「一億総懺悔」論/昭和天皇-マッカーサー会談
二. 「新日本」の天皇と憲法
いわゆる「人間宣言」/日本国憲法
三. 戦後巡幸
「人間」天皇の足跡
第2章:退位か在位か、国体護持の道を探して 1945-1947
一. GHQ の思惑
厳しいアメリカ国内世論/ルース・ベネディクトの日本研究/テクニカル・リスポンシビリティとモーラル・リスポンシビリティ/旧植民地からの鋭い指摘
二. 日本国民はどう論じていたか
矢部貞治の退位論――個人と制度を切り離す/南原繁の退位論――あくまで自発的に/「五勺の酒」/林芙美子の違和感/ジャーナリズムからの退位論/自責の連鎖と同情
三. 国体を護るには
近衛文麿の画策――昭和天皇落飾計画/外務省の奔走
四. 皇族たちと昭和天皇
高松宮の不満/三笠宮と蒼ざめた天皇/深まる貞明皇后との確執
五. 昭和天皇はどう考えていたのか ①
「退位でもして納める訳には行かないだらうか」/思いとどまる天皇/強烈な君主意識
第3章:東京裁判の結審、退位論の再燃 1948-1949
一. 退位論の再燃と拡大
きっかけとなった鼎談/海をわたる退位論/冷戦のなかの天皇/マッカーサーの真意
二. 盛り上がる退位論
南原繁、ふたたび/大山郁夫の退位論――天皇制廃止への一階梯/さまざまな退位論/続出する退位論特集/「御聖断」ができたなら/サトウ・ハチローの詩/十人十色の国民感情
三. 政官界の声
割れる政治家たちの意見/ある外務官僚の意見書/芦田均の翻意
四. 昭和天皇はどう考えていたのか ②
天皇の意思をめぐって/マッカーサーへの書簡/「朕が志ならんや」/だれに責任があるのか――非難・悔恨・転嫁
第4章:講和独立、そして昭和天皇の「おことば」へ 1950-1952
一. 講和独立を控えて
昭仁皇太子への期待
二. 三度目の退位論浮上
矢部貞治、ふたたび/渋沢秀雄の退位論――「社会生活の鉄則」/木戸幸一の退位論――「唯一ニシテ、最後ノ機会」/中曽根康弘の退位論――「新生日本」にふさわしい天皇/退位論者は「非国民」か/大宅壮一の退位論と吉田茂批判/再軍備論と天皇/市川房枝の退位論――再軍備反対の立場から/なぜ、退位は実現しなかったのか
三. 宮中に燻る退位論
昭和天皇の「邪推」――高松宮と秩父宮をめぐって
四. 昭和天皇はどう考えていたのか ③
宮中における決着/戦争の「勢」/「おことば」



