出版社内容情報
本書は、2017年の債権法改正による民法420条1項後段(増減額の禁止)の削除を契機に、損害賠償額の予定条項に関する従来の理解を抜本的に再構築するものである。ドイツ法・オーストリア法の分析に基づき、「原則として実損害額の主張を排除しない」という準則を提示しながら、過大な予定額の規制を、契約締結時の有効性を問う内容規制と、請求時の妥当性を問う信義則に基づく権利行使規制に峻別する。合意による法規範の修正という視点から、改正後の解釈論に新たな地平を拓く。
【目次】
序 章
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 本書の構成
第1部 総論:合意の内容確定および内容規制の基本構造
第1章 損害賠償額の予定に関する合意の内容確定
第1節 序論
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 方法および構成
第2節 複数の損害計算の規律に関する一般論
Ⅰ 抽象的損害計算論の意義および有用性
Ⅱ 抽象的損害計算の位置づけ
Ⅲ 小括
第3節 ドイツにおける違約罰および包括的損害賠償
Ⅰ 違約罰と損害賠償の関係
Ⅱ 包括的損害賠償と損害賠償の関係
Ⅲ 違約罰と包括的損害賠償の峻別論
第4節 損害賠償額の予定に関する合意と損害賠償の関係
Ⅰ 従来の理解の分析
Ⅱ 従来の理解に対する批判的検討
Ⅲ 従来の理解を維持する可能性
第5節 第1章のまとめ
第2章 損害賠償額の予定に関する合意の内容規制の構造
第1節 序論
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 方法および構成
第2節 ドイツ商法典348条の意義
Ⅰ ドイツ民法典343条の意義
Ⅱ ドイツ商法典348条の沿革
Ⅲ 現在の学説
第3節 商人間で合意された違約罰の無効および軽減
Ⅰ 普通取引約款中の違約罰条項の内容規制
Ⅱ ドイツ民法典138条に基づく無効
Ⅲ ドイツ民法典242条に基づく軽減
Ⅳ 小括
第4節 実損害額と予定額の不均衡に対する法的評価
Ⅰ 当事者の合理的な判断能力を典型的に否定する場合
Ⅱ 当事者の合理的な判断能力を典型的に肯定する場合
第5節 第2章のまとめ
第2部 各論:合意の目的と内容規制
第1章 債務不履行の抑止と損害賠償額の予定
第1節 序論
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 方法および構成
第2節 ドイツ法
Ⅰ ドイツ民法典343条の沿革
Ⅱ 判例における違約罰概念および違約罰の軽減
Ⅲ 学説における違約罰概念および違約罰の軽減
Ⅳ 小括
第3節 オーストリア法
Ⅰ オーストリア一般民法典1336条の沿革
Ⅱ 判例における違約罰概念および違約罰の軽減
Ⅲ 学説における違約罰概念および違約罰の軽減
Ⅳ 小括
第4節 損害賠償と違約罰の関係
Ⅰ オーストリアおよびドイツにおける損害賠償法の基本構造
Ⅱ ドイツにおける違約罰
Ⅲ オーストリアにおける違約罰
第5節 債務不履行の抑止のための損害賠償額の予定
Ⅰ 損害賠償額の予定に関する合意の類型化
Ⅱ 内容規制および権利行使規制のプロセス
第6節 第1章のまとめ
第2章 契約の解消と損害賠償額の予定
第1節 序論
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 方法および構成
第2節 ドイツ法
Ⅰ 解約金の法的位置づけ
Ⅱ 解除等に伴い支払うべき金額に関する合意の内容規制
第3節 オ
内容説明
合意は損害賠償法をいかに変容させるか。内容規制と権利行使規制の峻別により、予定条項をめぐる問題点を再設定する。ドイツ法・オーストリア法の緻密な分析から新たな解釈を提示する、気鋭の研究者による意欲作。
目次
第1部 総論:合意の内容確定および内容規制の基本構造(損害賠償額の予定に関する合意の内容確定;損害賠償額の予定に関する合意の内容規制の構造)
第2部 各論:合意の目的と内容規制(債務不履行の抑止と損害賠償額の予定;契約の解消と損害賠償額の予定;責任制限と損害賠償額の予定)
著者等紹介
河野航平[カワノコウヘイ]
慶應義塾大学法学部専任講師。1993年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科民事法学専攻修士課程修了、同後期博士課程単位取得退学。博士(法学)(2024年、慶應義塾大学)。慶應義塾大学大学院法学研究科助教(有期・研究奨励)、鹿児島大学法文学部助教を経て、2025年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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