天使の哲学―中世哲学入門講義

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天使の哲学―中世哲学入門講義

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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784766430707
  • NDC分類 132
  • Cコード C3010

出版社内容情報

中世では、天使は神と人間の中間に位置し、「人間とは何か」という問題を解明するカギとして盛んに議論された。
ときには天体の動かし手として、世界統治を司る「大臣」として、さらには中世版AIのような身体なき純粋知性として、つねに天使は哲学の中心にあった。

本書は、古代ギリシアから受け継いだ世界観を背景に、プラトン主義・アリストテレス主義という二大伝統を経由して、トマス、スコトゥス、オッカムら代表的な哲学者によって「天使論」が〈存在論〉〈認識論〉〈倫理学〉として体系化される軌跡をたどる。

近現代にたしかに息づく知と自由への渇望に、天使と悪魔がいざなう中世哲学入門――


【目次】

はじめに
 1 なぜ天使が哲学の問題になるのか
 2 中世哲学の考え方
 3 「天使の哲学」の問い 
 4 「人間の哲学」としての天使論

第一章 この世界はどのようにして始まったのか―プラトン主義と「創世記」
 1 はじめに
 2 世界創造の物語―プラトン『ティマイオス』 
 3 古代ギリシアからキリスト教へ―「創世記」と「無からの創造」 
 4 中世哲学と『ティマイオス』の出会い
 5 おわりに 

第二章 天使のいる「世界」―ヒエラルキーを求めて
 1 はじめに 
 2 「大臣」としての天使?―アガンベンの天使論
 3 「ヒエラルキー」の誕生
 4 存在の大いなる連鎖 
 5 おわりに 

第三章 天体を動かす天使たち―アリストテレス主義と世界の永遠性
 1 はじめに 
 2 永遠に生成変化する自然界
 3 第一原因としての「神」
 4 一三世紀の論争
 5 おわりに 

第四章 そもそも天使は存在するのか―プラトン主義とアリストテレス主義の総合
 1 はじめに 
 2 「針の上で天使は何人踊れるか」
 3 天使は宇宙のなかにいるのか
 4 天使はそもそも存在するのか―トマス・アクィナスの場合
 5 おわりに 

第五章 天使は身体をもつのか①―聖書からトマスまで
 1 はじめに
 2 悪魔の体、天使の体―ロンバルドゥスによる疑義 
 3 「質料形相論」とは何か
 4 「質料とは何か」をめぐる議論―トマスの批判
 5 おわりに 

第六章 天使は身体をもつのか②―トマスとボナヴェントゥラの対立
 1 はじめに 
 2 「可能」や「現実」とは何か?―物体性と質料性 
 3 「質料」はどこまで遡れるか? 
 4 天使論の表面化と節約の原理―スコトゥスとオッカム 
 5 おわりに 

第七章 思考実験としての天使の知―「身体なき精神」は何を思うか
 1 はじめに 
 2 「空中人間」と「我思う、ゆえに我あり」 
 3 天使の認識とは何か 
 4 媒介としての形相 
 5 おわりに 

第八章 中世版AI?―生得説と経験論の対立
 1 はじめに 
 2 私たちの頭は白紙なのか―ロックとライプニッツ 
 3 生得説を体現する天使―トマス・アクィナス 
 4 天使も経験を通じて賢くなるか―スコトゥスとオッカム 
 5 おわりに 

第九章 悪という自由―主知主義から主意主義へ
 1 はじめに 
 2 善とは何か、自由とは何か―主知主義 
 3 天使の自由意志―主意主義 
 4 意志の悪徳―主意主義の先鋭化 
 5 おわりに 

第一〇章 悪への固執―自由

内容説明

中世では、天使は神と人間の中間に位置し、「人間とは何か」という問題を解明するカギとして盛んに議論された。ときには天体の動かし手として、世界統治を司る「大臣」として、さらには中世版AIのような身体なき純粋知性として、つねに天使は哲学の中心にあった。本書は、古代ギリシアから受け継いだ世界観を背景に、プラトン・アリストテレス主義という二大伝統を経由して、トマス、スコトゥス、オッカムら代表的な哲学者によって、「天使論」が〈存在論〉〈認識論〉〈倫理学〉として体系化される軌跡をたどる。近現代にたしかに息づく知と自由への渇望に天使と悪魔がいざなう中世哲学入門―

目次

第一章 この世界はどのようにして始まったのか―プラトン主義と「創世記」
第二章 天使のいる「世界」―ヒエラルキーを求めて
第三章 天体を動かす天使たち―アリストテレス主義と世界の永遠性
第四章 そもそも天使は存在するのか―プラトン主義とアリストテレス主義の総合
第五章 天使は身体をもつのか1―聖書からトマスまで
第六章 天使は身体をもつのか2―トマスとボナヴェントゥラの対立
第七章 思考実験としての天使の知―「身体なき精神」は何を思うか
第八章 中世版AI?―生得説と経験論の対立
第九章 悪という自由―主知主義から主意主義へ
第一〇章 悪への固執―自由の究極
終章 宇宙から天使が消えた後

著者等紹介

石田隆太[イシダリュウタ]
1988年生まれ。同志社大学文学部助教。博士(文学、筑波大学、2018年)。専門は西洋中世哲学、特に個体化、天使論、物質主義の哲学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

有智 麻耶

2
キリスト教を背景としているがゆえにとっつきにくさのある中世哲学の概要を、神と人間との間に位置づけられた被造物である「天使」を切り口とすることで、とても見通しよく提示している。存在論や認識論、倫理学といった分野における「天使」の在り様は、人間がいかなる存在であるかということに関わっていた。本書から始めて、山内志郎などの中世哲学研究に進んでいけるとよいと思う。2025/11/15

彼方から

0
中世スコラ哲学において論じられてきた天使に関する問題はこれまで瑣末なこと、どうでもいいことのように思われてきた。だが実は哲学の本質的な問題に対するアプローチの重要な一形態である、という極めて興味深い立場の入門書。天使を軸にしたことで、論点が具体的になっていてわかりやすい。書き方もさっぱりしていて、哲学入門としておすすめの一冊。2025/11/02

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