出版社内容情報
・20世紀を代表する哲学者、バーナード・ウィリアムズによるカリフォルニア大学の名講義。
・西洋哲学が見落としていた「倫理」をギリシア古典に発見し、近代道徳の呪縛から解放する〈反道徳的な倫理学〉。
・解説=納富信留(東京大学大学院教授)
近代以降の進歩主義的な見方では、古代ギリシア人は未開の心性をもち、より洗練された道徳が人間性を陶冶してきたと捉えられてきた。
ウィリアムズはこのような道徳哲学の提示する人間が、生きられた経験から切り離された、無性格な道徳的自己であるとして批判する。それとは対照的に、具体的な性格と来歴をもつ人々を描く、ホメロスの叙事詩やアイスキュロス、ソポクレスらの悲劇作品を読み解き、そこに流れる豊かな倫理的思考を明らかにする。
道徳哲学やプラトン、アリストテレスらの哲学を批判的に参照しながら、恥と罪、必然性(運命)と義務、運命と自由意思、責任と行為者性といった概念をめぐる議論を通して、古代と現代を通じてこの現実を生きる人間の生の姿を描き出す、カリフォルニア大学の名講義。
内容説明
近代道徳の呪縛から解放する―。哲学を批判的に参照しながら、古代ギリシアの文学を読み解き、そこに、私たちが生きるべき豊かな倫理学を発見する。
目次
第1章 古代の解放
第2章 行為者性のいくつかの中心
第3章 責任を認識すること
第4章 恥と自律
第5章 いくつかの必然的なアイデンティティ
第6章 可能性・自由・力
著者等紹介
ウィリアムズ,バーナード[ウィリアムズ,バーナード] [Williams,Bernard]
1929‐2003。20世紀を代表する英国の哲学者。オックスフォード大学古典学部を最優等で卒業。オックスフォード大学教授、カリフォルニア大学バークレー校教授などを歴任。功利主義批判、近代道徳批判など、道徳哲学の業績で知られる。2003年に死去した際、タイムズ誌上で「当世最も傑出した道徳哲学者」と評された
河田健太郎[カワダケンタロウ]
東京都立大学人文科学研究科博士課程単位取得退学。専攻は英米倫理学
杉本英太[スギモトエイタ]
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程(文学)修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC2)。専攻は、古代ギリシア哲学
渡辺一樹[ワタナベカズキ]
エディンバラ大学大学院修士課程(哲学)修了、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程(哲学)修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC1)。専攻は、道徳哲学・政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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フクロウ
エジー@中小企業診断士