恥と運命の倫理学―道徳を乗り越えるためのギリシア古典講義

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恥と運命の倫理学―道徳を乗り越えるためのギリシア古典講義

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766429923
  • NDC分類 150
  • Cコード C3010

出版社内容情報

・20世紀を代表する哲学者、バーナード・ウィリアムズによるカリフォルニア大学の名講義。
・西洋哲学が見落としていた「倫理」をギリシア古典に発見し、近代道徳の呪縛から解放する〈反道徳的な倫理学〉。
・解説=納富信留(東京大学大学院教授)

 近代以降の進歩主義的な見方では、古代ギリシア人は未開の心性をもち、より洗練された道徳が人間性を陶冶してきたと捉えられてきた。
 ウィリアムズはこのような道徳哲学の提示する人間が、生きられた経験から切り離された、無性格な道徳的自己であるとして批判する。それとは対照的に、具体的な性格と来歴をもつ人々を描く、ホメロスの叙事詩やアイスキュロス、ソポクレスらの悲劇作品を読み解き、そこに流れる豊かな倫理的思考を明らかにする。
 道徳哲学やプラトン、アリストテレスらの哲学を批判的に参照しながら、恥と罪、必然性(運命)と義務、運命と自由意思、責任と行為者性といった概念をめぐる議論を通して、古代と現代を通じてこの現実を生きる人間の生の姿を描き出す、カリフォルニア大学の名講義。

内容説明

近代道徳の呪縛から解放する―。哲学を批判的に参照しながら、古代ギリシアの文学を読み解き、そこに、私たちが生きるべき豊かな倫理学を発見する。

目次

第1章 古代の解放
第2章 行為者性のいくつかの中心
第3章 責任を認識すること
第4章 恥と自律
第5章 いくつかの必然的なアイデンティティ
第6章 可能性・自由・力

著者等紹介

ウィリアムズ,バーナード[ウィリアムズ,バーナード] [Williams,Bernard]
1929‐2003。20世紀を代表する英国の哲学者。オックスフォード大学古典学部を最優等で卒業。オックスフォード大学教授、カリフォルニア大学バークレー校教授などを歴任。功利主義批判、近代道徳批判など、道徳哲学の業績で知られる。2003年に死去した際、タイムズ誌上で「当世最も傑出した道徳哲学者」と評された

河田健太郎[カワダケンタロウ]
東京都立大学人文科学研究科博士課程単位取得退学。専攻は英米倫理学

杉本英太[スギモトエイタ]
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程(文学)修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC2)。専攻は、古代ギリシア哲学

渡辺一樹[ワタナベカズキ]
エディンバラ大学大学院修士課程(哲学)修了、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程(哲学)修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC1)。専攻は、道徳哲学・政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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buuupuuu

22
古代人は、心や道徳について、野蛮で未熟な考え方をしていたと、しばしば言われる。これが正しくないということを、ウィリアムズは、ホメロスなどのテクストを引きながら、具体的に示そうとしている。意志決定、責任、アイデンティティ、自由、運といった事柄について、古代人は現代人と多くの考えを共有している。こういった事柄に関して、私たちは、古代人について誤ったイメージを抱いているばかりか、自分自身についても誤解している。たとえば、恥の文化から罪の文化への移行があったとされる。しかし、恥は、現代人においても働き続けている。2024/12/17

フクロウ

5
「それにしても敵とはいいながら、憐れみを覚えます、……思えばあの男の身の上は、すなわちわたしの身の上。」(89頁。『アイアス』からの引用。) 古代ギリシアには奴隷制も女性差別もあり、近代以降よりはるかにもとるから、特に倫理学において参考にすべきことはない。しかし、本当に?ソポクレスやエウリピデスの悲劇に着目し、人間とは何かを見つめ、そこで描かれる倫理を見る。恥とは自省。自由意志のフィクション性や偶然的要素をどう考えるかなどは小坂井敏晶『責任という虚構』と概ね被る。『ピロクテテス』はやはりよい。2025/02/16

エジー@中小企業診断士

5
ホメロスの叙事詩には「意図」にあたる単語が存在しない。だがそれは古代ギリシア(プラトン、アリストテレス以前)の人々が行為を為すにあたり意図を持たないとか、その概念のない未熟な世界であったことを意味しない。恥は行動、性格、結果の間を媒介し、倫理的な要求と生のそれ以外の部分の間を媒介する。ギリシア人のもつ幾つかの観念を見直すことで私たちが自ら必要とする倫理的観念をよりよく理解できるようになる。社会的アイデンティティの強制力を古代人は必然性や運の問題としたが近代人は正義などの道徳によって制御しようとする。2025/01/05

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