出版社内容情報
「怪獣化するプラットフォーム権力と法」と題する本講座は、グローバルなメガ・プラットフォームを、海獣リヴァイアサンと二頭一対の陸獣として旧約聖書に描かれる「ビヒモス」に喩えて、リヴァイアサンとビヒモスの力の対抗と、その制御のあり方を法学的に検討し、自由と民主主義の行く末を展望しようとするものである。
「最強」だったはずの主権国家リヴァイアサンは、デジタルプラットフォーム(DPF)という新たな怪獣の挑戦を受け、その絶対性を失いつつあるようにも思われる。仮にDPFを、旧約聖書に登場するもう一頭の怪獣――「神の最高傑作」と称され、「造り主をおいて剣をそれに突きつける者はない」と形容される陸の怪獣――「ビヒモス」に擬えるならば、現在は、あらゆる領域において、リヴァイアサンとビヒモスとが激しくせめぎ合っているとも言えるだろう。その衝突ないし対決は、当然、以下のような規範的な問いを提起する。
どちらの怪獣がデジタル空間を「統治」すべきか、また両者の関係はどうあるべきか。国家とDPFとの衝突ないし対立は、デジタル空間における秩序のあり方を根源的に捉えなおすよう考えるよう、我々に迫っているのである。
リヴァイアサンとビヒモスとのあるべき関係性が検討される第Ⅰ巻。
目次
提言
第1章 デジタル空間の統治をめぐる諸アクター(トマス・ホッブズとデジタル・ビヒモス―情報空間の混沌と「自然状態」;国家とDPFの国際的対決と個人の保護―ビジネスと人権のアプローチから;抵抗するリヴァイアサンとデジタル主権)
第2章 デジタル空間の統治者をめぐる戦況(デジタル化と地政学化した世界におけるEUの主権;共生モデル―アメリカにおけるリヴァイアサンとビヒモス;中国:主権の変容―デジタル魔獣世界と法秩序のイノベーション)
第3章 デジタル空間の統治をめぐる攻防のフィールド(プラットフォームとの「パートナリング(Partnering)」―グーグル/メタとカナダとの戦いから学ぶ
公衆衛生をめぐる国家とプラットフォームの攻防
「データの武器化」と安全保障におけるDPFの台頭)
著者等紹介
山本龍彦[ヤマモトタツヒコ]
慶應義塾大学大学院法務研究科教授、同グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)副所長、同X Dignityセンター共同代表。専攻:憲法学
トュルク,ポリーヌ[トュルク,ポリーヌ] [T¨urk,Pauline]
フランス・コートダジュール大学法学部教授、同公法研究所(CERDACFF)所長
河嶋春菜[カワシマハルナ]
東北福祉大学総合福祉学部准教授、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)客員所員。専攻:憲法学・医事法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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