出版社内容情報
▼なぜ急進的な国家建設を追求したのか?
▼朝鮮戦争、台湾海峡危機、和平演変の脅威、中ソ関係の悪化などの国際情勢の変動が、いかに毛沢東の脅威認識に影響を与え、強国化に向かわせたかを、一次資料から丹念に検証する。政治・外交・軍事・経済にまたがる意欲作。
内容説明
朝鮮戦争、台湾海峡危機、和平演変の脅威、中ソ関係の悪化などの国際情勢の変動が、いかに毛沢東の脅威認識に影響を与え、強国化に向かわせたかを、一次資料から丹念に検証する。政治・外交・軍事・経済にまたがる意欲作。
目次
序章 毛沢東時代の中国における国家建設と安全保障
第1章 新民主主義段階構想の終焉と朝鮮戦争 一九四九‐一九五三年
第2章 社会主義化の加速と第一次台湾海峡危機 一九五四‐一九五六年
第3章 反冒進と国際環境 一九五六‐一九五七年
第4章 大躍進政策の形成と共産主義の夢 一九五八‐一九五九年
第5章 大躍進政策の失敗と中国の孤立 一九五九‐一九六二年
第6章 三線建設から反和平演変へ 一九六三‐一九六六年
第7章 文化大革命と未完の戦略転換 一九六九‐一九七五年
終章 中国の強国化戦略
著者等紹介
山口信治[ヤマグチシンジ]
防衛研究所地域研究部中国研究室主任研究官。1979年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。2015年より現職。専門分野:中国政治・安全保障、中国現代史、中国の党軍関係、米中関係(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
18
毛沢東時代の中国の強国化戦略メカニズムを解析。中国の急進的国家建設は、安全保障上の脅威に対して自国の強化による対抗を選択し、そのために国内動員を強化した結果とみなす。社会主義化、重工業中心の経済建設、国防工業と国防先端技術開発の重視、自力更生といった中国の国家建設の特徴を安全保障上の脅威の度合いと絡めながら考察している。国内の路線闘争・権力闘争の政策への影響を過度に強調しすぎていない。著者は防衛研究所の研究官でもあり、毛沢東時代の軍事建設や国防先端技術開発の分析には専門性の強みも感じられる。2022/06/06